ローズキングダムが帰ってきました

2011年09月01日(木) 18:00

 1日の午後、橋口厩舎に検疫を終えた3頭の馬たちが到着しました。

 最初に馬運車を降りてきたのはアイアンプラスワン。牝で父はシンボリクリスエス、母はチアフルです。いかにも気の強そうな顔をしていましたね。

アイアンプラスワン

 続いて、やってきたのがカノヤベッピンサン。こちらも牝で父はハーツクライ、母はヤマノリアルです。こちらは穏やかな表情。ハーツクライの子供ということもあり、橋口師が彼女を見やる目は実に優しい。

カノヤベッピンサン

 続々と2歳馬が入っている橋口厩舎ですが、楽しみなのは11日デビュー予定のオリービン。父はダイワメジャー、母はシャンクシー。トレセン内でも「走る」と話題の1頭です。

「いや、でもね。2歳馬だけはデビューしてみないとわからないよ。確かに調教はよく走ったし、大物感もある。でも、ちょっと気が弱い馬なら実戦で揉まれただけで走る気をなくすし、テンションが高くなりがちな馬ならレースで何をしていいかわからなくなるなんてことはしょっちゅうだ。だからね、デビューして勝つまでは慎重なんだ。」(橋口師)

 そうはいっても先週、坂路で51.6-38.1-25.6-13.2をマークしたとあれば注目しなくてどうする?というかんじ。また追って続報を書きたいと思います。

 さて、話を戻して。最後に歩いてきたのはローズキングダム。ノーザンファーム早来を8月30日に出発。山元トレセンを経由して1日に栗東到着というスケジュールでした。キュッとまとまった馬体は相変わらず。馬運車から降りて厩舎へ戻る途中、首を荒々しくグイッとひねるしぐさを見せていましたよ。とても元気がよさそうでした。

ローズキングダム

 天皇賞(秋)以降は短期免許で来日予定のイオリッツ・メンディザバル騎手とのコンビが決まっているので、次走の京都大賞典1回かぎりという約束で「ダービーで乗ったからこの馬の背中を知っている」(橋口師)という後藤騎手が手綱を取ることになりました。今年のジャパンカップはすっきりしたかたちで王者になれるといいですね。

 短期免許での外国人ジョッキーの参加は同時に5人までという制限がありますが、今年の秋から冬にかけてはその枠がフルに利用されそうです。天皇賞(秋)、エイシンフラッシュはルメール騎手を確保していますし、9月17日から11月27日のあいだはアメリカのエドガー・プラード騎手がやってきます。イタリアのニコラ・ピンナ騎手はまだ1か月分交付可能期間が残っているし、デムーロ兄弟やウィリアムズ騎手も来るかもしれない。

 いま日本のいろんな常識やあたりまえだったことに変化がおきていますが、競馬もその例外ではないでしょう。

 変わるといえば、橋口厩舎もこの秋、新厩舎への引越しを控えています。レッツゴーターキンやハーツクライ、ダンスンザダーク、スリープレスナイト、バラ一族が育った馬房ともお別れです。

現在の厩舎

「開業して31年。この厩舎へきたのは29年前だよ。」

 約30年という年月はどれほどのものなのか…。

「まだ何もなかった厩舎の前に小指程度の藤の苗木を4つ植えたんだ。そしたら、大きく育って立派な木になり、その藤棚は毎年花を咲かせたよ。それほど長いあいだ、ここに居たんだよ。新しい厩舎へは持っていかないが、別れるのはちょっと名残惜しいね。」

藤の苗木

新厩舎

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花岡貴子

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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