2011年09月15日(木) 18:00
今回は超良血クンからご紹介しましょう。父はディープインパクト、母はベガの娘ヒストリックスターのピュアソウルです。
今月3日に栗東の松田博資厩舎へ入厩。ゲート試験は14日に一発で合格しています。「性格はひじょうに素直。ゲートはそれほど練習しなかったけれど、大人しく入ってスッ出て難なく試験に受かりました」と担当の大當助手。短期間に無難にサッサと試験をクリアしてしまうあたり、センスの良さを感じます。
馬体は小柄で430キロとのこと。競馬は420キロ台での出走になるかもしれません。「小さいけれど、ひじょうにバランスよくコンパクトにまとまっている。走り方のバランスもいいし、飼い葉もよく食べているよ」(大當助手)
しかし、その小さな体をよく見ると…顔、首、お腹など、アチラコチラに傷がいっぱいありました。とくに右側の首と腹には小さな蹄のかたちの傷痕がしっかり残っています。おそらく、子供時代に他の馬につけられた傷痕なのでしょう。「結構やんちゃだったんでしょうね。懐こい性格というか、今でも人や馬にジャレようとしてきます」(大當助手)。元気のいいヤンチャ坊主なんですね。今週末から京都開催デビューに向けて本格的な追い切りがスタートします。
ちなみに、ピュアソウルの隣の馬房にいるのはマルセリーナ。前回お伝えしたとおり、春に比べて体は全体的にパワーアップします。「追い切りを重ねて体が締まってきた」と、丸く張りのあるマルの体をケアする大當助手。馬体重は2桁増は確実でしょうが、とくにボテッとした印象はありません。前や真横から見るとさほど大きくなった印象はないのですが、斜めの角度から見ると圧倒的なボリューム感が感じ取れます。おそらく今後もこういう体型でレースを続けていくのでしょう。ローズSのパドックではマルセリーナのふっくらと成長したトモとお尻に注目してください。
ウインバリアシオンは来週の神戸新聞杯に向けて着々と調整を進めています。今週の1週前追い切りではウッドチップコースで安藤勝騎手が騎乗して行われました。併せたメイショウイッキ(準オープン)を3馬身ほど後ろから追いかけてスタートしましたが、4コーナーで並びかけ、直線では鞍上の仕掛けに即座に応じて抜け出し。最後は4馬身差をつけて先着するという内容でした。時計は80.8-65.0-50.3-36.9-11.6。
「実に身が入ってきたね。まだ緩いところはあるけれど、体がかなりしっかりしてきた。ダービーのデキが8なら、いまは9だよ」と中山助手は夏を越して成長した愛馬の様子に目を細めます。つねに脚元を気にしていた春とは違って調教に打ち込めている印象があります。追い切りの翌日は、春は少々ゴトゴトと歩くこともあったのですが、今は実にすっきりと歩いています。マイペースを崩さずゆったりした動作ですが、スムーズに前脚が出ているのは好印象です。
「とにかく菊花賞前に1戦叩けるというのが大きい。バリアシオンが完成するのは来年だと思うけれど、この調子で成長し続けて欲しいね」(中山助手)。
最後に今週のセントライト記念はサダムパテックとハーキュリーズに注目しています。サダムパテックは「春に比べてやや背丈がのびた」(塩満助手)とのこと。気性は変わらずとても大人びており、古馬の風格すら感じます。ダービーは7着に敗れましたが、西園師は「ドカ負けしたわけじゃない。ノメっていたし道悪が響いただろう」としています。なるべくいいお天気で競馬ができますように。ハーキュリーズは抽選を無事くぐり抜けての出走です。勝ちあぐねていた春頃と比べると心身ともに成長が見られます。父はディープインパクト、母はタックスヘイブンという良血が開花するのか、注目です。
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花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)