アルゼンチン共和国杯 思考と予想

出世レースとして有名なアルゼンチン共和国杯ですが、それはここ5年ほどの傾向。
それ以前は出世レースとして注目されていなかった訳ですから、毎回出世レースとなるかは分からないはずです。
「このレースは出世レースだ!」と決め付けてしまうのは簡単ですが、もう一歩踏み込んだ、データのその先まで考えた方が、本質に近づけると思いませんか?

G1ホースが輩出されたのは2007年~2010年の区間。
この4レースのラップを見てみると、
2010 
7.0 - 11.1 - 10.8 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 12.2 - 12.3 - 12.1 - 12.2 - 11.8 - 11.6 - 12.4
2009
7.3 - 11.4 - 12.1 - 12.5 - 12.5 - 12.3 - 12.1 - 11.7 - 12.0 - 12.3 - 11.0 - 11.8 - 11.9
2008
7.3 - 11.3 - 11.4 - 11.9 - 12.2 - 12.0 - 12.1 - 12.3 - 12.2 - 12.0 - 11.6 - 12.3 - 12.2
2007
7.3 - 11.2 - 11.3 - 11.6 - 12.4 - 12.1 - 12.3 - 12.7 - 12.6 - 12.2 - 11.5 - 11.4 - 12.3
緩急が非常に小さいことが分かります。
時計も全て2分30秒台。
この、「長距離なのに息を入れられないペース」こそが出世レースとなる原因です。
となると当然、底力、持続力の優れた馬が脚質に関係なく好走することになります。
今年は軽量の先行イケドラゴンとメーヴェ、本来は先行策を取るミッキーペトラ、ルルーシュ、斤量を意識して先行したいビートブラックが居るため、出世レースとなるような厳しい流れになるのではないでしょうか。

コラム推薦馬
長距離路線で活躍していたころのスタミナ、底力、持続力の一端を前走見せたオウケンブルースリが有力。
去年のレベルが高くなかった同舞台を持続力の違いで追い込んでいたことからも、適性は相当。
底力、持続力という能力に限ると、去年よりもメンバーが相対的に弱くなっているのは明白。
これで上位3頭とは少し離れた人気となるのですから、一番の狙い目です。

大穴の可能性
マイネルキッツです。
根っからのステイヤーでこの距離でも短いのでは?という声もありますが、トップスピードの低さをカバーできるこの条件は合うはずで、前走上がり3位は「終わった馬」でないことの証明。
ゆったりと無理なく持続力を活かせば好走できるシーンはあると思います。