2011年10月26日(水) 18:00
今年最後の1歳市場となる「オータムセール」(主催・HBA日高軽種馬農協)が24日(月)より北海道市場を会場に開催されている。
27日(木)までの4日間の日程で上場予定頭数は870頭。初日、2日目とようやく半分を消化したところだが、中間報告をしておこう。
オータムセール会場
初日は、やや模様眺めの気配が強く、価格はかなり伸び悩んだ。あらかじめ予想されていたこととはいえ、何とも厳しいスタートになった。
上場頭数は195頭(牡68頭、牝127頭)で、落札されたのは93頭(牡41頭、牝52頭)。この結果、売却率は47.69%とまずまずの数字であった。牡馬に限ってみると60.24%の売却率で、牝馬はその分低くなるわけだが、それでも40.94%。この部分だけは相変わらずかなりの高水準である。
しかし、初日の売り上げ総額は、2億679万7,500円(税込)で、落札馬1頭あたりの平均価格は約222万円。また一段と安くなってしまった。とりわけ牝馬の平均価格は162万余となり、多くが100万円台での落札に終わった。なお牡馬の平均は298万円。
ちなみに昨年の同セール初日の数字と比較してみると、上場頭数では8頭の減、落札頭数では5頭の増、売却率では4.35%の増となる。その反面、売り上げは2175万円余の減となり、平均価格もまた37万円ほど下落してしまった。
初日の最高価格馬は109番「ノクターンの2010」(父アグネスデジタル、母ノクターン、母父クリスタルグリッターズ、牡栗毛)の1092万円(税込)で販売申込者は(有)岡田牧場、落札は(株)ノースヒルズマネジメカント。初日の1000万円超えはこの馬だけであった。
ノクターンの2010
昨年もそうだったが、初日はやや低調ムードで始まり、2日目に数字が伸びる傾向がある。今年もまた2日目は初日と比較すると、売り上げ、平均価格、売却率のいずれも大きく上回る結果になった。
2日目は201頭(牡81頭、牝120頭)が上場され、108頭(牡58頭、牝50頭)が落札、売却率は53.73%に達した。
牡馬の売却率は実に71.6%。牝馬は41.6%とかなりの開きになった。売り上げ総額は3億1731万円。落札馬の平均価格は293万8055円。初日と比較すると相当な上積みになっている。
2日目の最高価格馬は323番「レイジーリヴァーの22」(父ゼンノロブロイ、母レイジーリヴァー、母父In the Wings、牡鹿毛)の1522万5000円(税込)。販売申込者は(有)日の出牧場、落札はノーザンファーム。
レイジーリヴァーの22
2日目は1000万円を超える落札価格馬がこの馬を含め4頭出た。
他の3頭は、まず285番「レディバウンティフル10」(父Motivator、母レディバウンティフル、母父Spectrum、牡鹿毛)の1102万5000円(税込)。ダーレージャパンファームの上場馬で落札は(株)ノースヒルズマネジメント。
続いて371番「チェルビム10」(父ファンタスティックライト、母チェルビム、母父サンデーサイレンス、牡黒鹿毛)の1260万円(税込)。同じくダーレージャパンファームからの上場馬で落札者は猪熊広次氏。
もう1頭は424番「ジャルダンデフルーの2010」(父アグネスデジタル、母ジャルダンデフルー、母父スペシャルウィーク、牡栗毛)の1050万円(税込)である。
ところで、昨年は4日間を通じて823頭が上場され、407頭が落札された。売却率はトータルで49.45%。売り上げ総額は11億2315万円。平均価格は275万9591円。残り2日間でこの数字をクリアするためには、ほぼ6億円の売り上げが必要になってくる。
数は売れているが価格が低いこの流れから脱却できるかどうか。3日目と4日目の市場に注目してみたいと思う。
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田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。