2011年10月28日(金) 12:00 3
やりましたね~。
史上7頭目の3冠馬誕生。
当日私は装鞍所、パドック、ゲート裏、表彰式と、一連の流れでみていたのですが、ほとんどといっていいほど、常歩で周回をしていたオルフェーヴル。
レース前は落ち着き払った表情のもとでの常歩、そしてレース後は、さほど呼吸も乱れていないかのような顔つきでの常歩。
その姿に改めて精神面の強さと心臓の強さを感じ、この馬はまだまだ強くなるのだろうなぁ~という期待も。
考えてみれば、デビュー戦ではレース後にジョッキーを振り落とし放馬。
2歳の重賞戦では、折り合いを欠いての大敗…。
この血統ならではといった気性の激しさと、どう向き合うか?が、陣営にとってはそこが最大の課題だったと思います。
逆を言えば、ひとつボタンを掛け違えれば、勝利どころか競走馬としての生命も危ぶまれる馬になっていた可能性も…。
私は今回の3冠達成の始まりというのは、兄のドリームジャーニーを、前哨戦からコンビを組みながら池添騎手とG1へ進むと判断したあの過去から始まっているのではないかと感じます。
今回の偉業というのは、馬作りの原点というか、大切なものを提示していたようにも思え、その分、私個人も感動が大きかったです。
本当に素晴らしいレースを見させてもらいましたぁ。
さぁ今週は、超豪華メンバーが集結の天皇賞・秋です。
どんな状況下でも、力の全てをだしきるブエナビスタの連覇となるのか?
それとも新星のダークシャドウか?
はたまたダービー馬の復活か?
それとも…?今回の天皇賞は、本当に見所いっぱい。
注目のブエナビスタですが、水曜日の時点では、まだまだ腹回りに余裕があり、正直、
「ちょっと太め残りかな…」と思うところもありましたが、木曜日に見ると幾分スッキリとした感じに。
また陣営も、「本音を言えば、もう1~2本ほしいところかなぁ。この馬は460kg台が1番走れる体だと思うから…」と話しつつも、水曜日の追いきり後に馬の気持ちがピリッと変わりつつある姿に、「明日(金曜日)の調教からレース当日までの間に、また少し変わると思うから」と。
確かにこれまでのレース振りから、体に余裕があると、勝負所での反応がモタモタッとするところがあるゆえ、そのあたりが心配ではありますが、この点においては今回で3回目の騎乗となる岩田騎手が最も感じているはず。名手の手綱捌きに期待したいです。
それでは皆さん、可能ならば日曜日は是非とも東京競馬場でお逢いしましょう。
ホソジュンでした。
細江純子
愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。