スノーフェアリーとアパパネの“仕草”

2011年11月18日(金) 12:00 7

 強かったですね~、スノーフェアリー。昨年も、あの一瞬の切れ味に驚きましたが、今年もたまげましたぁ~。

 最後の直線は、「どこから来たの?!」と思わせる、鋭い末脚。そして昨年同様、レース後の息の入りが非常に早く、馬自身も涼しい表情。というよりも、昨年のパドックもそうでしたが、このスノーフェアリーという馬は、レース前はどちらかというと怒った表情を見せ、そしてレース終了後はスッキリとした顔つきに変わる気がします。

 ですからパドックで見せていた、怒った表情、耳の仕草というのは、イライラしているとか、クルクルと周囲にアンテナを張り巡らせているあの動きというのは、一般的な集中力を欠いているという解釈ではなく、“あなたたちには負けないわよ!”という彼女にとってのファイティングポーズなのかも…。

 そして昨年同様、3着となったアパパネちゃんのゲート入りもそう。彼女は必ずゲート入り際に、一度躊躇し反抗します。しかしながら大敗をしてしまった府中牝馬Sではその仕草がなく、スッとゲート入り。このスムーズさに、担当する福田さんは、“あれ?! いつものアパコじゃないな?と不安になった”とのこと。それが今回のエリザベス女王杯では、立ち止まって抵抗。レース後、担当する福田さんにそのあたりを伺うと、「アパパネらしく、内心ホッとしながら誘導していました」とコメント。やはり馬がいい時に見せる仕草、これが大事なのですね。

 そういえばタイキシャトルも、必ずレース前のパドックで1度立ち止まり嘶く仕草を見せていた馬。ですから岡部さんは、フランスに遠征した際、パドックで跨るやいなや、厩務員さんに、「鳴いたか?」とすぐさま聞いたのだそう。そして「うん鳴いた」という厩務員さんの返答に、いつも通りのタイキシャトルであることを確認し、安心感のもとレースへと向えたのだそうです。

 今回のアパパネ、昨年同様3着という結果ではありましたが、まだまだ復調途上の中でのこの走り。さすがG1を5つ勝っている馬だなぁ~と、改めて感心してしまいました。

 さて今週はマイルCSです。現時点での注目馬は、リディル、エイシンアポロン、サプレザ、そしてマイル適性が高いと感じるマルセリーナ、キョウワジャンヌまで。それでは皆さん、当日は競馬場もしくは関西テレビ「競馬beat」でお逢いしましょう。ホソジュンでした。

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細江純子

愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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