1点勝負は市川S、多点買いはジャパンCダート

2011年12月03日(土) 20:00 3

 今週のポイントは、ワールドスーパージョッキーシリーズ(WSJS)の2011ゴールデンブーツトロフィーが対象レースに組み込まれている点。陣営が騎手を選べないという特殊な一戦なので、立ち回りを工夫する必要がありそうです。なお、2001~2010年のWSJS対象レースにおける単勝1番人気馬の勝率は17.9%。2011年(11月27日終了時点)の全WIN5対象レースにおける単勝1番人気馬の勝率が33.9%ですから、かなり難しいレースと言えるでしょう。

 もうひとつ注目レースを挙げるなら5レース目のジャパンカップダート。エスポワールシチーとトランセンドの2頭に人気が集中しそうな分、「無難に『二強』の2頭をマークする」「『二強』のどちらかに絞って点数を抑える」「『二強』以外の馬をピックアップして超高額配当を狙う」などの作戦が考えられます。自身の予算と4人の見解を照らし合わせて、どんな買い目が最適なのかを熟考してみてください。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→小倉11R 下関S
 JCDを1点レースに選択することも考えましたが、このレースのように難しい条件をあえて絞ることで買い目を減らす方法を選択してみました。ハノハノは休養明けの前走、仕上がりは決して悪くありませんでしたが、負ければココは予定の連闘。それは小倉芝1200mで3勝の実績から納得していたただけるはずです。

推奨馬:6.ハノハノ

●今週の多点買いレース
→中山11R ターコイズS
 中山芝1600mで行われるこのレースは坂路で本数多く(10年カウアイレーン)調教されるか、坂路とトラックを併用して本数多く(09年ウエディングフジコ)調教されていました。この調教タイプが勝ち切ることが多いレース。09年型はクーデグレイス、クリアンサス、10年型はアンシェルブルーが勝ち馬と同じ調教タイプです。

推奨馬:2.クーデグレイス、5.クリアンサス、6.アンシェルブルー

【奥田隆一郎 WIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→中山10R 市川S
 エーシンヒットマンは、休養明けの4走前に中山芝1200mで馬券になり、好調期間に入った今なら、そのレース以上に期待できる。昇級戦の前走は出遅れながらも3着好走、クラスのメドは立った。今回は、連闘と外国人騎手の起用で勝負をかけてきたので、勝ち負けになる。

推奨馬:12.エーシンヒットマン

●今週の多点買いレース
→阪神11R ジャパンCダート
 多くの人が人気2頭を購入するため、それ以外の馬が穴をあけたときに高配当が生まれる。もちろん人気2頭も押さえる必要はあるが、高配当を期待して◎テスタマッタを買い目にいれる。○エスポワールシチー▲トランセンドの2頭が逃げ・先行脚質となるため、差し馬の◎に逆転を期待。

推奨馬:5.テスタマッタ、6.エスポワールシチー、16.トランセンド

【古澤秀和のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→中山10R 市川S
 ここはエーシンヒットマンの1頭買いで臨みたい。前走は逃げた馬と内枠しか来ない馬場で痛恨の出遅れ。それでも3着まで差してきたようにやはり力はある。その前走はやや体付きにも余裕があったし、今回は更に上積みが期待できそう。メンバーもそれほど強くないし、流れもこの馬にちょうど良いものになりそう。道悪が残ってもこなせるし、ここは確勝の場面と見る。

推奨馬:12.エーシンヒットマン

●今週の多点買いレース
→阪神11R ジャパンCダート
 ここは2強ムードのオッズだが、土曜日の競馬を見るとパワータイプが有利な印象。エスポワールシチーはサンデーサイレンス系のゴールドアリュール産駒で、軽いスピードが武器なだけに条件が合わない。前に行ける有利さと好枠で上位争いは可能だが、頭は妙味も考えて消しておきたい。買いたいのはニホンピロアワーズとワンダーアキュート。前者は脚抜きの良い馬場なら出番は無かっただろうが、パワータイプが活躍する馬場だけにチャンスが出てきた。ここに臨むに当たって悪い材料は全く無いし、立ち回り次第では頭まであったもおかしくない。

 ワンダーアキュートは叩いて良くなっている。速い時計にも対応できるタイプだが、馬格があってパワーもある。デキはもう一段上がありそうな感じがするが、ここでもチャンスはある。あとはトランセンド。大外枠は誤算だったが、今期一番と思われるデキで当然勝ち負けに加わってくるだろう。

推奨馬:9.ワンダーアキュート、12.ニホンピロアワーズ、16.トランセンド

【伊吹雅也のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→阪神11R ジャパンCダート
 2010年にトランセンドが、2009年にはエスポワールシチーが逃げ切り勝ちを決めているレース。ただし、2010年のトランセンドは2枠3番、2009年のエスポワールシチーは1枠1番からの発走でした。4コーナーを4番手以内で通過した馬のうち、4番から外の枠だった馬は2008年以降[0-0-0-10]。外枠からの先行はかなり負荷が高いようで、上位人気に推された馬が大きく失速するケースも目立ちます。

 今年はエスポワールシチーが3枠6番、トランセンドが8枠16番。まずまずの枠を引いたエスポワールシチーはともかく、大外枠のトランセンドは苦戦必至でしょう。ついでに指摘しておくと、2008年以降は前走でJBCクラシックに出走していた単勝1~2番人気馬が[0-0-1-3]。GIを連戦してきた分、コンディションも心配です。その他の馬に先着を許す可能性は低そうですし、今回はエスポワールシチーを素直に信頼すべきと見ました。

推奨馬:6.エスポワールシチー

●今週の多点買いレース
→阪神10R ゴールデンブーツT
 昨年の5回阪神芝2000mは、新馬と未勝利を除くと、9~15番枠に入った馬が[0-1-0-17]、前走がJRAの平地競走、かつ前走の4コーナーを5番手以下で通過した馬が[0-2-2-19]、父にサンデーサイレンス系以外の種牡馬を持つ馬が[0-1-1-19]。これだけ傾向がハッキリしているのですから、このレースも内めの枠に入ったサンデーサイレンス系の先行馬を重視すべきでしょう。

 素直に買えるのはハードダダンダン、サトノシュレンの2頭。また、サクラキングオーやアドマイヤテンバも血統以外は好走馬のイメージに合っています。紛れの多いレースなので絞り過ぎるのは良くないと思いますけど、このあたりに網を張っておけば通過できると見ました。

推奨馬:2.ハードダダンダン、3.サトノシュレン、6.サクラキングオー、7.アドマイヤテンバ

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

新着コラム

コラムを探す