混戦の阪神JFは多点買い、美浦Sを1点勝負

2011年12月10日(土) 20:00

 今週のポイントは何と言っても阪神ジュベナイルフィリーズ。阪神芝1600m外回りで開催されるようになった2006年以降の勝ち馬は、故障で戦線離脱したレーヴディソール(2010年)を除き、すべて翌春にクラシック競走を制しています。もっとも、2006〜2009年の優勝馬はそれぞれ単勝4、3、1、2番人気。「大きく荒れる可能性は低い」「でも1頭に絞り込むのはちょっと勇気がいる」という、WIN5的には難しい傾向のレースです。

 今年の阪神ジュベナイルフィリーズも、前日夕方時点で1番人気の単勝オッズが4倍を優に超える混戦模様。ます最初に、無理せずここを手広く構える(=序盤のレースは点数を抑える)のか、それともリスク覚悟でここを絞り込む(=そのぶん序盤のレースを手広く買う)のかを決めておいて、それから各レースの詳細な検討に移っていくといいでしょう。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→中山10R 美浦S
 12頭立てでも少々難解なメンバー。しかし今週の対象レースで1点に絞るならココしかありません。過去2年の美浦Sの勝ち馬は標準多め併用、標準併用の調教タイプ。本数的なことを考慮すれば、馬ナリ平均併用のハッピーパレードよりも乗込併用のネオサクセスということになります。

推奨馬:11.ネオサクセス

●今週の多点買いレース
→中山11R カペラS
 過去3年のカペラSの勝ち馬はすべて坂路で本数多く調教されていました。いかにも中山ダート1200mらしい調教適性が出たレースですが、今年の該当馬は4頭。なかでも昨年の勝ち馬セイクリムズン、2着馬ティアップワイルドは人気でも勝つ確率は高いと思います。新興勢力では標準多め坂路レディルージュ。調教タイプから勝つ資格は十分に持っています。あとは休養明けで長距離輸送も心配ですが、調教タイプは該当するケイアイガーベラ。

推奨馬:1.ティアップワイルド、2.セイクリムズン、9.レディルージュ、15.ケイアイガーベラ

【奥田隆一郎のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→小倉11R 柳川特別
 エーシンミズーリは4走前に直結コースの京都芝1800mを圧勝した。昇級後、近3走のマイル戦でも惜しい競馬を続けており、1800mに替わる今回は決められる。

推奨馬:9.エーシンミズーリ

●今週の多点買いレース
→阪神11R 阪神JF
 混戦模様の2歳戦で波乱の可能性あり。直結コースとなる東京芝1600m、京都芝1600m内、阪神芝1400mを勝利した4頭を推奨する。直結コースの勝ち馬は、同じ適性が要求される今走のコース(阪神マイル)に適性があるため、勝ち負けになる。

推奨馬:1.アンチュラス、12.ラシンティランテ、15.トーセンベニザクラ、16.エピセアローム

【古澤秀和のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→中山11R カペラS
 ここはセイクリムズン一頭で攻めたい。ダートの1200mは最も得意な条件だし、先行から抜け出す脚質で安定度も抜群。またそんなレース運びをする馬だから内枠も大きなプラス材料。メンバーもあまり強い馬がいないし、斤量57キロで出られるのも良い。ここは一頭に絞って勝負。

推奨馬:2.セイクリムズン

●今週の多点買いレース
→阪神11R 阪神JF
 ここは混戦模様。ただ、頭までこられる馬は限られてはいる。まずエイシンキンチェム。今の阪神芝コースはサンデーサイレンス系で馬格があって筋肉量豊富な馬が有利。また、先行脚質も有利だ。それに当てはまるのが同馬。内枠でロス無く進んで最後に弾けてくれそうだ。

 アナスタシアブルーはパワータイプで前走よりも馬場が合う。マイルに短縮されるのは現状プラス材料だし、初戦の内容なら頭まであってもおかしくない。ラシンティランテの前走は非常に強かった。札幌の芝で勝っている様に力の要る馬場もこなせるし、今の馬場にぴったりマッチしていそう。これも頭まで十分。エピセアロームはデキがポイント。能力はメンバー中一番高いくらい。ただ、中間の写真や調教の動きを見ると本物ではない感じ。当日の状態次第では切れるが、前予想時点では入れておくのが無難だ。

推奨馬:2.エイシンキンチェム、10.アナスタシアブルー、12.ラシンティランテ、16.エピセアローム

【伊吹雅也のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→中山10R 美浦S
 2010年の5回中山芝1800mは、3歳以上のレースに限ると、4コーナーを4番手以下で通過した馬が[0-1-3-19]。2009年以前の傾向を見ても、基本的に先行有利なコースです。今年の美浦ステークスは先行力のある馬が少ないメンバー構成。現級勝ちの実績があるシルクアーネスト、秋華賞4着が評価されそうなアカンサスあたりは脚質的に過信禁物だと思います。これなら素直にプレイを信頼した方が良さそう。勝ち味に遅い点が嫌われれば妙味もありそうですし、田辺裕信騎手はダンジグ系種牡馬の産駒と非常に相性がいいジョッキーなので、乗り替わりはまったく問題ありません。

推奨馬:1.プレイ

●今週の多点買いレース
→小倉11R 柳川特別
 2010年の3回小倉芝1800mは、3歳以上のレースに限ると、前走がJRAの平地競走、かつ前走の4コーナーを5番手以内で通過した馬が[1-3-1-31]と不振。「例外」となった馬のレースぶりや今開催の傾向を見ても、先行力の高さだけで勝ち切れるような展開にはならないと思います。また、血統面ではサンデーサイレンス系種牡馬の産駒が圧倒的に優勢です。

 絶対的な信頼をおける馬こそ見当たりませんが、ここ4戦連続で出走メンバー中2位以内の上がり3ハロンタイムをマークしているエスカナール、小回りコースが合っていそうなコスモソーンパーク、実績上位のエーシンミズーリまで押さえておけば大丈夫でしょう。序盤の3レースを徹底的に絞り、このレースを手堅く突破したうえで阪神ジュベナイルフィリーズに臨むような買い目を作ろうと思います。

推奨馬:2.エスカナール、6.コスモソーンパーク、9.エーシンミズーリ

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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