ブエナビスタ、花束を食べる?

2012年01月12日(木) 18:00

 もう昨年のことですが、ブエナビスタの引退式には感動しました。杓子定規な演出ではなく、最後に名曲「She」が流れたとき、もうたまらなくなりました。ブエナビスタを称えるにはピッタリの選曲。ほんと、最高の引退式でしたね。

 そして、引退式のあと、馬房でのブエナビスタの様子ですが…。とてもお腹が空いていたようでした(笑)。そりゃ、そうでしょう。レースのあと、いつもなら上がり運動を終えたらお役目終了なのに、さらにたくさん歩いたのですから。そのせいでしょうか。青草などいわゆる馬のための食料ではなく、花束の花をブエナの近くに置いたら、それを食べようと必死に顔を近づけていました。すぐに花をブエナから遠ざけたので事なきを得ましたが…馬は花も食べようとするんですね。ちょっとビックリしました。

引退式後のブエナビスタ

 そのあと、すぐに福島県のノーザンファーム天栄へ移動し、のちに生まれ故郷のノーザンファーム早来へ帰っています。このまま無事、今年受胎が確認されれば、その子は引退解散直前の松田博資厩舎へギリギリ入厩できるかもしれませんね。その日が今からとても待ち遠しいです。

 さて、いまの栗東トレセンの話題に戻しましょう。今週デビュー予定の新馬の中ではミルキーウェイに注目しています。父はアグネスタキオン、母はマーメイドSの優勝馬・ディアチャンスです。母と同じく、栗東の清水出美厩舎へ入厩。担当も母と同じく土屋均助手です。

 土屋助手は持ち乗りで担当しており、調教は普段の世話まで一手に面倒を見ています。ミルキーウェイは調教で見せる顔と普段の生活で見せる顔が全然違うそうです。

「普段の生活では大人しくて手がかからない。本当に“イイコ”ですが、調教ではまだ気持ちが先走っていてコントロールするのにひじょうに手がかかります」(土屋助手)

 栗東の坂路コースは頂上の手前にゴールがあり、帰り道はカーブしてくだるようになっています。しかし、ミルキーウェイは坂路に入りだした当初は頂上まで行き着いてもひとつ間違えば、そのまま曲がりきれずにコースが落ちるのか?と思わせるほど」(土屋助手)勢いが止まらなかったそうです。

ミルキーウェイ

「今ではだいぶ慣れてきて、そこまで“飛ばす”ことはなくなりましたが…。それでも、まだ調教では勢いよく走っています。よく言えば一生懸命走るタイプですが、それが実戦でどう出るかですね」(土屋助手)

 ちなみに今週はレースに出走予定ということで元騎手の内田浩一助手が追い切りをつけています。
「やはり、気持ちが前向きでビュンビュンと飛ばしますね」とのこと。

 どうやら初戦向きといえますが、陣営には“もう少し落ち着いて欲しい”という気持ちもあるようです。さて、それがどう出るか。今週の牝馬限定の芝1600m戦に出走予定でしたが、除外になったので来週の芝1600m戦に目標を切り替え、挑みます。

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花岡貴子

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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