2012年01月19日(木) 18:00
ウインバリアシオンが当初の目論見より早く栗東トレセンに帰ってきました。
ジャパンCのあと、その週のうちに放牧に出たウインバリアシオンでしたが、その週ですらすぐにも調教を再開できそうなほど状態はよかったのです。余力を残して放牧に出たのがよかったのでしょう。牧場でもすこぶるコンディションがよかったので、松永師と牧場サイドの話し合いにより春の初戦を阪神大賞典から京都記念に早め、それに合わせて帰厩も繰り上げました。
牧場では542キロまで体重が増えたそうですが、栗東に戻ってからは530キロ台にすぐに落ちたとか。
「腰のあたりが若干高くなったけれど、全体的にはそう変わりないですよ。休んだ分、お腹に脂肪が乗っているので、これを取らないとね」(竹邑厩務員)
日の当たる遅い時間に運動させたり、そのあいだは厚着をさせて“汗取り”をしながら馬体を整えています。
「寒い時期はいくら厚着をさせてもまったく汗をかかない馬もいる。でも、ウインバリアシオンは新陳代謝もいいほうで、しっかり汗をかいてくれるから助かるよ。いまは体重が532から536の間を行ったり来たりしているけれど、この調子なら本格的な追い切りが始まればすぐに体重は落ちるでしょう」(竹邑厩務員)
この春は京都記念、阪神大賞典、天皇賞・春を予定。
「やはり、ファンを集めるには大きなレースにコンスタントに出走して、毎回成績をあげるような“無事是名馬”にならなければね。先日引退したブエナビスタがそうだったし、オグリキャップも本当にタフによく走ってファンのみなさんに喜んでいただいたよね。ウインバリアシオンもそういう馬になってほしいと思うよ」(竹邑厩務員)
そう、オグリキャップは瀬戸口厩舎時代、竹邑厩務員が働く隣の馬房にいた馬でした。
「あのころは自分が仕事を始めて20年くらい経っていた。それなりにキャリアもあったし、重賞を勝ったこともあった。でも、オグリキャップほど世間の注目を集めた馬はいなかった。“オグリのような馬をやりたい!”という、それまでにない気持ちが芽生えたよ。そして、今もなおその気持ちは変わらないんだ」とニッコリ。
ウインバリアシオンにもこの春、無事に3戦、できれば宝塚記念にも出走して“無事是名馬”と言われる活躍をしてほしいものです。
メルヴェイユドールが本格化の兆しです! 先週の小倉の壇ノ浦特別ではいままでのジリ脚はどこへやら。外から上がり34.2秒の一枚上を印象づける切れる脚を見せてくれました。
牧田師はずっと冴えない成績が続くメルヴェイユドールに対して「とにかく馬の状態を最優先して、あまりコンディションがよさそうではないときは無理をさせないようにしています」と焦らずに調整していく方針を貫いていましたが、それが功を奏したようです。
ここにきて京都牝馬Sに出走するプランも浮上中。このまま勢いに乗って重賞まで勝てたなら、本格化と言い切っていいでしょう。ステイゴールドも本格化するのに時間がかかりましたが、妹もそのクチだったようです。兄の実績を考えると、妹の未来の可能性はどこまで伸びるのか、まったく読めません。
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花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)