アレキサンドライトS

2012年01月20日(金) 18:00

 久しぶりに降雨(雪)の影響がありそうな中山コース。土曜日の天気予報は「みぞれ」。降雨量はあまり多くない予報だが、ずっと乾燥した良馬場が連続していたから、ダートコースは少しタイムが速くなる可能性が高い。

 そう強力な先行タイプがいないことと、多少とも走りやすいコンディションを考慮して、5歳マイネルオベリスク(父アグネスデジタル)から入りたい。昨年の後半は体調一歩もあって不振だったが、前回の「フェアウェルS」の内容は悪くなかった。前半1000m通過62秒2の平均ペースの流れに好位でうまく流れに乗り、直線に向いて内から抜け出せそうな場面もあった。結果は4着止まりでも、勝ったグランドシチー(日曜の平安Sに出走)から0秒1差だけ。春には一度このクラスを勝っている実力馬らしい渋い粘り腰をみせた。中間の動きから、ようやく復調なったとしていい。

 前回の4着を含め、中山ダート1800mは【2-3-0-2】。ここまでの持ち時計は平凡でも、先行スピードを生かしたいタイプに渋り気味の馬場はプラスと思える。この馬、毎回のように鞍上が代わっているが、今回は戸崎圭太騎手。昨2011年は「327勝」もして、3度目の日本のリーディングジョッキーに輝いている。好位で流れに乗った先行タイプに直線もう一回脚を使わせて抜け出すのは、もっとも得意な正攻法パターンでもある。この鞍上チェンジの魅力は大きい。

 芝、ダートを問わないミラクルホースとして成長したアグネスデジタル産駒。母の父マルゼンスキー。その前はシンザン。3代母の半弟には日本ダービー馬バンブーアトラスがいる。まだまだ成長してくれるだろう。

 前走、マイネルオベリスクに「クビ差」先着の3着だったゴールデンチケット(父キングカメハメハ)は今回58kgに斤量は増えるが、抜け出しかかりながらあと一歩の伸びを欠いた前回より、今回のほうがずっと動きがいい。こちらはGIでも好勝負した力量馬、明らかに復調と思えるから、背負い頭でも評価は下げられない。

 同じレースで、前回は直線で前が詰まる不利のあったコスタパルメーラが3番手。グリッターウイング、ダートムーア、スエズ、ドットコムを連の相手にしたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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