松籟Sは1点勝負、京都牝馬Sは多点買いで

2012年01月28日(土) 20:00

 今週から1回東京がスタート。1月29日は節分ステークスと根岸ステークスがWIN5対象レースとなっています。

 改めて振り返ってみると、東京競馬場で行われたWIN5対象レースには面白い傾向がありました。単勝平均配当は860円で、これは先週終了時点だと阪神競馬場(655円)に次ぐ2番目の安さ。他場はすべて1000円を超えていましたから、相当に荒れにくい部類の競馬場と言えるでしょう。しかし、単勝1番人気馬の勝率は28.9%で、小倉競馬場(21.1%)に次ぐ2番目の低水準。他場がすべて30%以上だったことを考えると、単勝1番人気馬があまり信頼できない競馬場とも言えるのです。

 まだまだサンプルの少ない時期ですし、各レースの出走メンバー次第ということも重々承知していますが、なかなか興味深いデータだと思いませんか? 今開催はどんな結果になるのか、注意深く観察したいと思います。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→京都11R 京都牝馬S
 点数の絞り辛いレースが多いので、なにかを決め手に1点勝負レースを選択する必要がありました。そこで昨年の勝ち馬ショウリュウムーンが出走するこのレースを選びました。

 調教本数は昨年時より1本少なくなっていますが、昨年時との比較で前走の仕上がりが良かった今年は少なくても大丈夫。なにより最終追い切りで坂路終い最速ラップの追い切りができたことが重要ですから、それをクリアしていれば大丈夫。

推奨馬:4.ショウリュウムーン

●今週の多点買いレース
→小倉11R 紫川特別
 1月2月にハンデ戦、牝馬限定戦以外で行われた小倉芝1200mは3レースありましたが、勝ち馬の調教タイプは標準多め併用が2頭、標準多め坂路が1頭と本数が必要な結果となりました。

 標準多め併用こそいませんが、坂路で本数多い調教タイプは4頭。その中でも標準多め坂路のニジブルーム、スパルタ坂路のニホンピロシュラブ、乗込坂路のグッドルッキングが栗東坂路での本数多いタイプですから、パワーの必要な馬場に勝ち馬として適した調教内容だと言えます。

推奨馬:4.ニジブルーム、5.ニホンピロシュラブ、3.グッドルッキング

【奥田隆一郎のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→京都10R・松籟S
◎ロードオブザリング
 前走の許波多特別で推奨して結果1着となったように、京都外回りコースの長距離戦を得意にしている。特に、京都芝2200〜2400mはベスト条件となる。1600万クラスの実績あり、昇級はカタチだけなので、前走に続き勝ち負けになる。

推奨馬:6.ロードオブザリング

●今週の多点買いレース
→京都11R・京都牝馬S
◎アスカトップレディ
○ショウリュウムーン
▲エーシンリターンズ
△レディアルバローザ
 直結コースの東京芝1600m、同コースの京都芝1600m外を激走した馬に注目する。◎アスカトップレディと○ショウリュウムーンは、同コースの京都金杯の3・4着馬。▲エーシンリターンズと△レディアルバローザは、直結コース東京マイルのユートピアS(2010年)の1・2着馬。同じような適性と能力を持っており、今回も一緒に馬券になる可能性あり。

推奨馬:11.アスカトップレディ、4.ショウリュウムーン、14.エーシンリターンズ、8.レディアルバローザ


【古澤秀和のWIN5見解】
●今週の一点勝負レース
→京都10R・松籟S
 今日の京都競馬の芝レースを見ていると、パワータイプが有利に映った。中でもシンボリクリスエス産駒の相性が抜群。よほど筋肉の質がマッチするのだろう。ここでシンボリクリスエス産駒はマナクーラ1頭。同コースで同血統構成の馬が圧勝したし、マナクーラの筋肉の質を見ても合っているはずだ。他も強い馬がいるが、他のレースで1点で買えそうなところが見当たらないので、ここは決め打ちしたいところ。

推奨馬:11.マナクーラ

●今週の多点買いレース
→京都11R・京都牝馬S
 ここは多点買いをしておきたいレース。内からまずはショウリュウムーン。昨年の覇者がここにきてキッチリと調子を上げてきた。今の馬場もマズマズ合いそうだし、ここは勝ち負けに加わってくるはずだ。

 次にコスモネモシン。今日のパワーが要る馬場はこの馬に合っていそうだし、器用に立ち回れるタイプなのでこの枠順も有利。ここは崩れず上位争いをしてくるだろう。

 レディアルバローザは近走振るわないが、力は上のものを持っている。馬場が合いそうだし、ここは休み明けでも侮れない。
穴ならビッグスマイル。いつも前が止まらない馬場に泣かされる馬だが、今回は差しが利く馬場。鞍上もいかにもマッチしそうで、斤量差を生かせば一気の差し切りまで考えられる。

 アスカトップレディは牝馬にしては馬格が合って今の馬場もこなせそう。妙味としては薄いが、一応押さえておいた方が得策だろう。

推奨馬:4.ショウリュウムーン、5.コスモネモシン、8.レディアルバローザ、11.アスカトップレディ


【伊吹雅也のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→京都10R・松籟S
 今年の1〜2回京都芝2400m外回り(1月28日終了時点)は、出走メンバー中1位の上がり3ハロンタイムをマークした馬が[3-0-1-0]、4コーナーを2番手以内で通過した馬が[0-0-0-6]。昨年の同開催に比べるとやや差し馬が優勢です。なお、父も母も父もサンデーサイレンス系以外の種牡馬だった馬は[0-0-1-6]と信頼できません。

 イメージに合うのはロードオブザリングとタニノエポレット。馬券的な妙味を考えるとタニノエポレットの方に興味を惹かれますが、やはり優勝する可能性が高いのはロードオブザリングでしょう。京都芝、かつ池添謙一騎手が騎乗したレースに限ればあまり崩れておらず、少頭数もプラスに働きそうです。

推奨馬:6.ロードオブザリング

●今週の多点買いレース
→東京11R 根岸ステークス
 ダートのJRAGIで3着以内となった経験がある馬は2002年以降[0-1-1-8]。フェブラリーステークスの前哨戦ですが、GIの厳しいレース展開が合うような馬は信頼できません。能力の高さは認めても、ダノンカモンが勝ち切れる可能性は案外低いと見ました。

 狙ってみたいのは前走好走馬。特に前走1着、かつ前走がオープン特別か(ダートグレード競走を含む)重賞だった馬は2002年以降[6-6-3-20]と信頼できます。今年の該当馬はトウショウカズン、ヒラボクワイルド、ティアップワイルドだけ。この3頭を軸に、他レースで買う馬の人気も考慮しながら手広く押さえたいところです。

推奨馬:4.トウショウカズン、8.ヒラボクワイルド、14.ティアップワイルド

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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