2012年02月23日(木) 12:00
天地がもたらすのは災いだけではない、この力強い言葉に救われる。だが、これはあくまで受け身の態度が言わせる言葉であって、アクションを起こすのがこの自分だとしたら、もっと強い言葉が時には必要だ。
世の中には人を励ます言葉がいくらもあって、その強い響きに心打たれることがある。
不思議なもので、心がそれを求めているときには、どんなに強い言葉であっても心地よい。最近耳にした言葉の中に、その強いものがあった。それはこうである。
変化に対応できないものは滅びるのみと。
平たく人生を見せてくれる競馬の中にもこの言葉は立派に生きている。変化に対応するとは、レースでももとめられる姿で、こうありたいと人馬一体の努力が続けられるのが競馬そのものなのだから、もしかしたら、その極意をレースが教えてくれているとも考えられる。人馬一体とは、まずは騎乗する馬について知り尽すことから始まる。その馬の資質から性格までどれだけつかんでいるか。そこから、戦況に応じたレースでの戦い方が見出される。
そこで、変化に対応できない問題が発生したとなれば、それが当面の課題として克服しなければならないテーマとなり、努力が積まれていく。目の前の競馬で繰り返されている事柄を、どう自分の日々に結びつけるかは困難だが、少なくとも、やろうとしていることは似ている。
変化にどう対応するか。生まれながらにその資質のある馬がいたとしたら、その戦いぶりを自分の励みとすればよく、そうでないものなら、その努力の仕方を、これまた励みとして自分を鼓舞する材料にすればいいではないか。問題を悩みとせず、問題を問題として解決する努力をする、そこに大きな価値があり、やがて、天地がもたらすのは災いだけではないことに合点がいくのではないか。競馬を深く見つめていこう。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。