混戦模様の中山牝馬Sこそ勝負

2012年03月10日(土) 20:00

 今回のWIN5対象レースは総出走頭数が歴代6位タイの78頭で、総組み合わせ数も歴代7位の88万4736通り(3月10日17時時点)。今回よりも総組み合わせ数が多かった6回はいずれも100万円を超える高配当決着でした。当然ながら、今回もそれなりの配当が期待できるのではないかと思います。

 ポイントになりそうなのは3レース目の中京スポーツ杯。18頭立てのWIN5対象レースは昨年12月11日の阪神ジュベナイルフィリーズ以来です。WIN5に限った話ではありませんが、基本的に出走頭数が多いレースほど波乱の起きる可能性は高くなるもの。「このレースで穴を狙おう」と考えている方は多いでしょうし、私も今回はそうすることにしました。しかし、今のところ18頭立てのWIN5対象レースにおける単勝1番人気馬の勝率は41.7%(17頭立て以下は33.2%)。重賞以外のレースに限れば66.7%となっています。誰もが「荒れそう」と考えているレースで人気薄の勝ち馬をピックアップできても、配当に与える効果は限定的。諸々の条件が揃えば「多頭数のレースをあえて(人気サイドの)1頭に絞る」というのも有効な作戦です。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→中山10R 東風S
 オープン特別とはいえ、頭数が少なくメンバーが手薄になった一戦。本数多い併用調教馬に適性の高い中山芝1600mですが、想定されるペースが速くないので、本数は標準あれば十分でしょう。ならば主導権を握るテイエムオオタカの調教内容で十分。久しぶりでも本数は足りていますし、調教タイプは標準坂路主体。逃げ切れる調教適性です。

推奨馬:8.テイエムオオタカ

■今週の多点買いレース
→中山11R 中山牝馬S
 牝馬限定重賞ですが、調教本数が重要になるレース。2008年、2009年の勝ち馬が坂路とトラックで本数多く調教されていた点を重視すれば、自然と人気薄から狙う馬をピックアップできます。2008年、2009年1着馬と非常に似た調教内容はエオリアンハープ。レディアルバローザ、ブロードストリートは栗東でしっかり本数多い調教を積んでの東上。休養明けのホエールキャプチャも坂路での調教本数が多く、緒戦から走れる態勢です。

推奨馬:4.エオリアンハープ、10.ブロードストリート、12.レディアルバローザ、15.ホエールキャプチャ


【奥田隆一郎のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
中山10R 東風ステークス
 ギンザボナンザは、中山マイルをもっとも得意にしている。中山マイルでは3走前のターコイズSの連対、昨年のニューイヤーSの3着、3歳時のアネモネSの勝利などオープンクラスで何度も馬券になっている。今回は得意コースのオープン特別で、勝ち負けを期待する。

推奨馬:3.ギンザボナンザ

■今週の1点勝負レース
→中京11R 中京スポーツ杯
・ラインジェシカ…休養前に直結コースの東京芝1400mで現級の馬券になった。中京と東京は、左回り・直線が長く、坂があるところが共通しており、同距離の1400mは直結しやすいだろう。叩き3走目の上積みもあり、勝ち負けになる。

・テイラーバートン…直結コースの京都芝1400m外で現級を勝っている。また、前々走の阪神芝1400mで現級の馬券になった。前走は1200mを凡走したが、得意の距離1400mに戻って、巻き返しを警戒する。

・メイショウドナリオ…4走前に直結コースの阪神芝1400mを2着、前々走で直結コースの東京芝1400mを勝利した。直線に坂のある1400m戦を得意にしており、今回も好勝負できる。

推奨馬:4.ラインジェシカ、9.メイショウドナリオ、16.テイラーバートン

【古澤秀和のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→中山11R 中山牝馬S
 ここはハンデ戦で混戦模様だが、あえて一点勝負を仕掛けたいところ。対象はレディアルバローザ。昨年のこのレースを圧勝、その後ヴィクトリアマイルで好走したように力はこのメンバーでも上位。近走の成績が振るわず人気を落としているが、前走のパドックでは持ち直した気配を感じた。道悪はむしろ得意な方だし、ハンデ戦で斤量も楽。馬場も外から差せる馬場になってきたし、ここはコースが違えど昨年の再現を期待。

推奨馬:12.レディアルバローザ

■今週の多点買いレース
→阪神11R フィリーズレビュー
 ここは意外と混戦になると見る。
レッドクラウディアは初戦、芝レースで負けているが、本質的には芝向きの馬。距離の1400mも合っているし、力の要る馬場も合う。アイムユアーズは写真を見る限り馬体がしっかりしてきた印象。特に背中がしっかりして、立ち姿も力強くなってきたように思う。ピッチ走法で馬場も合うし、チャンス十分。エイシンキンチェムはツナギが立っていて筋肉量も多いので、、力の要る馬場が合っている。1400mの距離も合っているし、警戒が必要な存在だ。ラシンティランテはここ2走期待を裏切ったが、能力は確かなモノを持っている馬。馬体写真を見ても素晴らしいし、ここは巻き返しの場面。イチオクノホシは前走厳しいレースになったが、それでも間を割って伸びてきた。根性はかなりのものを持っている。人気になりそうだが能力上位だし、ここは押さえておく必要がある。

推奨馬:2.レッドクラウディア、4.アイムユアーズ、6.エイシンキンチェム、13.ラシンティランテ、16.イチオクノホシ

【伊吹雅也のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→阪神10R 甲南S
 今年の1回阪神ダート1800m(3月10日終了時点)は、4歳以上、かつ牝馬限定以外のレースに限ると4コーナーを5番手以下で通過した馬が[0-0-1-47]。差し馬や追い込み馬は割り引きが必要でしょう。なお、先行した馬同士の比較だと外めの枠に入った馬がやや優勢でした。これならオースミイレブンを素直に信頼した方が良さそう。休養明けに加えて昇級緒戦だった前走でも大きく崩れていませんし、現在の馬場状態もピッタリだと思います。十分にコンビ実績のあるジョッキーなので乗り替わりも問題ありません。一方、バトードールは特定のジョッキーとコンビを組んだレースに好走例が偏っていますし、エアウルフは勝ち切れないレースぶりに加えて距離延長も不安。人気ほど信頼できるタイプではなさそうです。

推奨馬:14.オースミイレブン

●今週の多点買いレース
→中京11R 中日スポーツ杯
 今年の1回中京芝1400m(3月10日終了時点)は、前走がJRAの平地競走、かつ前走の4コーナーを4番手以内で通過していた馬が[0-1-0-27]。一方、前走がJRAの平地競走、かつ前走で出走メンバー中3位以内の上がり3ハロンタイムをマークしていた馬は[4-2-2-14]とまずまず信頼できます。冒頭に挙げた理由で当初は点数を絞るつもりでしたが、これだけ先行不利、差し有利の傾向が明らかなら積極的に人気薄を狙うべきでしょう。好走馬のイメージに合うのはサトノフローラ、シゲルモトナリ、クレバーサンデーあたり。特に楽しみなのはサトノフローラです。ここ2戦はコンビ実績のないジョッキーが騎乗していたので度外視できますし、左回りに替わる点も好材料。距離もこのくらいがベストだと思います。

推奨馬:3.サトノフローラ、10.シゲルモトナリ、13.クレバーサンデー

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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