2012年03月17日(土) 20:00
阪神大賞典に出走予定のオルフェーヴルはWIN5対象レースで[5-0-0-0]。競走馬別のWIN5対象レース勝利数ランキングを見ると、4勝以上は今のところこの馬だけで、3勝している馬も3頭しかいません。そういえば、記念すべき第1回WIN5(2011年4月24日)の日にメインレース=皐月賞を勝ったのもこの馬でしたね。単純に「強い」というのもありますが、WIN5の申し子とでも呼ぶべきこの戦績は当欄としても気になるところ。今週はどんなレースを見せてくれるでしょうか。
オルフェーヴルのような馬がいる一方で、何度も善戦しているのに勝ち切れない馬が存在するのも競馬の面白いところです。先週までのWIN5対象レースで2〜3着を3回以上経験している馬は17頭いますが、このうち1着も経験しているのは3頭だけで、残る14頭はすべて優勝経験がありません。[0-1-3-3]のデイトユアドリーム、[0-3-1-0]のドリームノクターンなど、不思議とWIN5に絡めない実績馬はどのクラスにもいますよね。勝てない理由はそれぞれだと思いますが、こういう馬の評価を思い切って下げられるかどうかは長期的なWIN5の収支に響いてくるでしょう。(伊吹雅也)
【井内利彰のWIN5見解】 ●今週の1点勝負レース →中山11R スプリングS 負け知らずのアルフレードとバンザイ、3連勝中のゼロスとWIN5で買いやすい馬が集ったトライアル戦になりましたが、調教からの視点ではディープブリランテに絞ることができます。前走共同通信杯は調教本数不足の標準少め坂路主体でしたが、きっちり2着は確保。今回は順当に攻めを強化して標準多め併用ですから、前走からの上積みは大。また先週の中山芝1800m重賞、中山牝馬Sを制したレディアロバローザが標準多め併用でしたから、レースに対する調教タイプ適性も高いと言えます。
推奨馬:9.ディープブリランテ
●今週の多点買いレース →中京11R 中京スポーツ杯 1000万下のハンデ戦というだけで、人気薄の好走がイメージできますが、その中でもどんな馬を選択するかがポイント。中京競馬場に新設された芝1600mの調教傾向を見ていると、美浦坂路追い切り馬か併用調教馬の好走が目立ちます。エフティシュタルクは最終追い切りが美浦坂路でラスト1F11.8秒。逃げることができれば勝ち切る可能性がありますし、標準多め併用ではメイショウゾウセン、ダブルレインボー。最終追い切りが美浦坂路でなかった点は不満ですが、乗込併用のプロポーズまで押さえる必要はありそうです。
推奨馬:4.ダブルレインボー、6.メイショウゾウセン、7.プロポーズ、13.エフティシュタルク
【奥田隆一郎のWIN5見解】 ●今週の1点勝負レース →阪神10R 但馬S ダノンミルは、同コース(阪神芝2000m)の若葉Sの勝ち馬。オープンクラスで通用する馬なので、条件戦のうえに得意コースの今回は勝ち負けになる。
推奨馬:4.ダノンミル
●今週の多点買いレース →中山10R 下総S サイモントルナーレは、休養前に中山ダ1800mの現級(総武S)を3着、直結コース阪神ダ1800mの現級(梅田S)を2着に激走している。しかも総武Sは重馬場の激走で、雨にも対応できる。近走は芝レースの出走などあり、惨敗を続けているが、ハンデも手ごろで得意コースに戻る今回は大駆けを期待する。グリッターウイングは、直結コースの京都ダ1800mにて1000万クラスを勝ち上がった。休み明けを2度叩き、今回は能力を発揮できる。グラッツィアは、直結コースの新潟ダ1800mを2〜3走前に連勝している。休み明けの前走を凡走したが、巻き返しを警戒する。
推奨馬:1.グラッツィア、2.グリッターウイング、13.サイモントルナーレ
【古澤秀和のWIN5見解】 ●今週の1点勝負レース →中山11R スプリングS 阪神大賞典のオルフェーヴルはもちろん1点で良さそうだが、それだと面白くないのでこちらを選択。ディープブリランテは前走を叩かれての上積みが非常に大きい。絞れているし、筋肉の張りも増し、立ち姿が力強くなった。土曜日の馬場を見ると渋りながらもサンデー系が強かったし、この馬にとってはピッタリの馬場状態と見る。ここは勝ち切ってくれるだろう。
●今週の多点買いレース →阪神10R 但馬S ここは少頭数だが、あえて多点買いで臨みたい。まずは穴目でメイショウジンム。内枠が得意なタイプだし、この枠順は理想的。このメンバーなら好位の内目で運べるし、道悪馬場に対する適性も高いので、一発あってもおかしくない。アグネスワルツはようやく復調してきたし、復調すればG1でも上位を争った力の持ち主。ハンデは重いが、力上位の分チャンスはある。エスカナールは休み明けになるが、仕上がりさえ良ければ当然怖い一頭。道悪の2000mで勝ち鞍があるのも、今回の馬場では理想的。あと、押さえるなら外枠の2頭、アヴェンティーノとメルヴェイユドールあたりまで押さえても良いが、1点買いレースとオルフェーヴルで1頭通過すれば配当が堅くなりそうなので、ここも絞り込んで少配当を取りに行くのが賢明かも。
推奨馬:3.メイショウジンム、5.アグネスワルツ、7.エスカナール、8.アヴェンティーノ、9.メルヴェイユドール
【伊吹雅也のWIN5見解】 ●今週の1点勝負レース →中山11R スプリングS スプリングステークスは芝1800mへの適性がポイント。前走が芝1800mのJRA重賞、かつその前走で3着以内だった馬は2002年以降[7-1-3-5](複勝率68.8%)と非常に堅実です。一方、前年の朝日杯フューチュリティステークスで3着以内だった馬は2004年以降[0-1-2-6]。惨敗までは行かずとも、微妙に人気を裏切ってしまうケースが目立ちます。これならディープブリランテを素直に信頼した方が良さそう。前走は休養明けの影響があったと思いますし、本質的には東京よりも中山に向くタイプでしょう。今開催の中山芝1800mが少しずつ外枠有利になってきた点も好材料です。
●今週の多点買いレース →阪神10R 但馬S 少頭数のレースを伏兵が勝つと、単勝支持率よりも少ない割合の票数しか残らず、妙味ある配当になりやすいもの。例えば、2011年11月27日の九十九島特別(9頭立て)を勝ったアキノグローブは単勝支持率が約5.3%だったのに対し、WIN5の票数は約3.2%しか残りませんでした。当然、このレースも伏兵を積極的に狙っていきたいところです。昨年の1〜2回阪神芝2000mは、4歳以上のレースに限ると、前走がJRAかつ前走で4コーナー3番手以内だった馬が[1-1-0-13]。また、前走で出走メンバー中3位以内の上がり3ハロンタイムをマークした馬も[0-1-1-11]と苦戦していました。前走が極端な競馬だったアグネスワルツ、エスカナールは過信禁物。少頭数が合うレジェンドブルー、道悪に実績のあるメイショウジンム、フジキセキ産駒と相性がいいジョッキーに乗り替わるメルヴェイユドールを中心に手広く押さえます。
推奨馬:2.レジェンドブルー、3.メイショウジンム、9.メルヴェイユドール
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
伊吹雅也「1点で仕留める!WIN5攻略法」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
伊吹雅也
競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。