仲睦まじいパララ&アパパネ

2012年03月29日(木) 18:00

 今からちょうど1週間前、阪神牝馬Sを狙うアパパネと桜花賞に出走予定のパララサルーが栗東トレセンへ到着しました。3連勝中の噂の牝馬、どんな強者なのかを確認にいったところ…かわいい!! ディープインパクト産駒らしく細面の顔、小柄な馬体。鹿毛の中でも、かなり明るい毛色。そしてなにより、ひじょうに大人しい。そのたたずまいには“可憐”という言葉がしっくりくるものでした。

パララサルー、とっても可愛いんです

パララサルー、とっても可愛いんです

 国枝師はそんなパララサルーについて「先週はネコが競馬場を賑わせちゃったけど(笑)。パララは普段がまるでネコ。そのくらい大人しい馬なんだ」

 見ていると“守ってあげたくなる”ようなイメージ。女子力、高いです。 そんなパララサルー、普段は有賀厩務員が担当していますが、今回は持ち替えで福田助手が持ち乗りで世話しています。

「心配なのはアネモネSの疲れ。道悪で体力を消耗しただろうからね。本番までにどれだけ馬体を戻せるかが課題」(福田助手)

 栗東へ輸送後、環境の変化になれるまで少々時間がかかり、その間少しカイバ喰いが細くなりました。1週間経ってだいぶ食欲は回復したものの、バリバリ平らげるというほどではありません。ディープ産駒とはいえ、見た目に“細いな”という印象は否めません。

「でも、桜花賞は1回しかないですから。アパパネとはタイプは違いますが“これは走る”という手応えを感じさせる馬です」と福田助手。なんとか馬体を回復させ、本番で力を発揮させようと試行錯誤していました。

 レースをVTRで見る限り、よくわかりませんでしたが、騎乗者の手応えとしては「距離も延びていいタイプだからオークスはもっと面白いと思う」(福田助手)とのこと。 それならなおさら、ここでダメージを残さずオークスへ繋げてほしいと思いました。

パララ(左)にアパパネ(右)がご挨拶

パララ(左)にアパパネ(右)がご挨拶

 一方、アパパネですが、こちらはすっかり貫禄のある体つきになりました。パッと見、ダートで活躍中の牡馬、と言っても言い過ぎではないくらいパワフルな馬体になっています。

「こちらはまだ太いですね。本番までに絞りたいので、陽の出る暖かい時間帯に調教しています」(福田助手)

 この2頭の悩みはまさに対極。アパパネの体重をパララにわけたら、ちょうどよくなりそうですが…そう上手くはいきませんよね(苦笑)。本番まであと10日、この2頭の体重の増減にはしっかり注目していきたいと思います。

馬房でも仲良し(手前パララ、奥アパパネ)

馬房でも仲良し(奥がアパパネ)

 ちなみにこの2頭、とても仲がいいんです。 鼻面をあわせて、見つめあうアパパネとパララサルー。その仲睦まじさに、見ていて思わず笑みがこぼれます。

「美浦の馬房でも隣同士なんです。美浦では馬房の壁に小窓があって、隣の馬の様子がわかるようになっているから。普段もこんな風に顔を合わせているんですよ」(福田助手)

 厩舎に訪れた方々、とくに女性が「パララサルーと仲良くしていてアパパネがヤキモチ妬きませんか?」と福田助手に質問していましたが…、この2頭、普段からこれだけ仲がいいなら福田助手を取り合ってイガミ合う、ということもなさそうですね。 なんともホノボノした風景に出会い、癒されました(笑)。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

花岡貴子

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

新着コラム

コラムを探す