2012年04月19日(木) 18:00
ここ数日、栗東の桜もハラハラと舞い散り桜吹雪が見られます。あとちょっとで完全に葉桜になってしまうことでしょう。競馬は来週が天皇賞・春。早いですねぇ。今回は上がり馬トウカイパラダイスをご紹介します。
昨年秋、500万下を卒業したあと、ひと息いれて今年1月より復帰。今年のはじめは1000万下条件で4着→3着→5着と掲示板には載るようになったものの、勝ちきるまではいきませんでした。
田所調教師撮影のトウカイパラダイス
「柴山騎手に『これまでは気分よく走りすぎて負けたので、道中はうまく壁を作って我慢をさせ、直線で伸ばす競馬をしてほしい』と依頼したんです。すると、そのとおりに乗ってきてくれて、この馬のよさ引き出すような展開になったんです」
勝因は柴山騎手の好騎乗、そしてトウカイパラダイス自身の成長にあると田所師はみています。「トウカイパラダイス自身が、騎手の注文に応えられるだけ力をつけてきたんだと思います」
しかし、今度の天皇賞は初GIどころか、初のオープン戦。一気にハードルが上がります。
「距離もこの馬にしたら少し長いかもしれません。位置取りは中段より前にはなると思いますが、道中はここ2戦と同じくジックリ構えて直線で追い出す競馬をさせたいです。強敵相手になりますが、この馬らしい渋い競馬を見せてくれるといいですね」
ちなみにトウカイパラダイスの写真は田所調教師ご自身が撮影されたものをお借りしました。
「水曜日の追い切り後、厩舎のまわりを歩いていたときの写真です。すごく雰囲気がいいので撮影したんですよ。脚がスラッと長く、バランスのいい馬体でしょう? さほど筋肉質ではなく、中長距離体型です」
血統も競馬っぷりも決して派手ではありませんが、田所師はそれがいいと話していました。「渋い血統で渋い競馬をお見せできるよう、仕上げていきますよ」
シルポートは完全復調
もっとも心強いのは今回手綱を取る小牧騎手が調教に騎乗したあとに話したコメント。「あまりよくないときは力んだ感じだが、今回はそんなところはまったくなくリラックスしていた。いい感触です」
シルポートが今どれだけイイかんじなのか、すごくよく伝わってきますよね。
厩舎でもシルポートの様子を見てきましたが、とても7歳とは思えないハツラツぶりでしたよ。「4コーナーまで先頭を保ち、後続に何馬身つけられるか。3馬身ほど離すのが理想ですね」と松尾助手。どれだけ自分の競馬ができるか、が勝負の分かれ目になるのは間違いないでしょう。
今週は開幕週なので前も止まりにくいでしょうし、仮に雨が降ったとしても対応できる馬です。GIホース3頭という強力な相手はいますが、今のシルポートが自分の競馬に徹すればじゅうぶんチャンスはあると思います。楽しみです!
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花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)