週刊サラブレッドレイシングポスト

2003年02月25日(火) 15:38

 先週のファシグティプトン・コールダーセールに続いて、今週は3月4日(火曜日)にカリフォルニアのフェアプレックスパークで行われる『バレッツ・マーチセール』のプレビューをお届けしたい。

 200頭を超える上場予定馬の中で、血統的に最も注目を集めているのが、上場番号137番だろう。昨年のG1サンタアニタHの勝馬ミルウォーキーブルーの弟で、父が昨年メダグリアドローらを輩出して全米リーディングサイヤーに輝いたエルプラドという牡馬である。昨年のキーンランド・セプテンバーセールで47万5千ドルという超高値でピンフックされており、セール3日前の3月1日に行われる今年のサンタアニタHで兄が連覇でも果たそうものなら、値段は天井知らずになりかねないとも言われている。

 2歳G1オークリーフSの勝馬ヴィヴィッドエンジェルの妹にあたるのが、上場番号88番の牝馬。父が、初年度産駒となる今年の3歳世代から、ケンタッキーダービー戦線の有力馬マンアモングメンを出し、おおいに株が上昇している期待の若手種牡馬ジェントルメンというのも魅力の1頭である。

 同じく、今季のケンタッキーダービー戦線の有力馬カフウェインを出しているチェロキーランの産駒として注目されるのが、上場番号195番の牝馬。祖母が、BCジュヴェナイルフィリーズを制した2歳牝馬チャンピオンで、3歳春にもニューヨーク牝馬2冠を制した名牝メドウスターという牝系である。

 日本に馴染みの血統では、上場番号167番の父アウトオヴプレイス、母がG1アーリントン・ワシントン・ラッシーSの勝馬コントレダンスという牡馬がおもしろい。牝馬ながら牡馬に混ざってシンザン記念2着の成績があるホッコービューティの弟にあたる馬で、いとこにはG1パシフィッククラシック連覇のスキミングがいる良血である。

 この他、昨年のG2デイリー杯2歳S勝馬シルクブラボーの弟にあたる上場番号52番の牡馬(父オナーグレイズ)や、おじに日本の名種牡馬ブライアンズタイムがいる上場番号206番の牝馬(父オナーグレイズ)らにも、日本の競馬ファンの注目が集まりそうである。

 POG戦略の上でも見逃せないバレッツマーチセールの結果は、再来週のこのコラムでお伝えしたい。

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合田直弘

1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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