春の天皇賞に向けて

2003年02月26日(水) 11:23

 ゴールドアリュールの勝利は、次へ向けて納得させるものがあったというところでしょう。ドバイワールドCのナドアルシバの馬場を考えるとき、スピードがあっても逃げるだけでは苦しく、フェブラリーSで厳しいレースをさせて勝った自信は大きいでしょう。去年、最優秀ダート馬に選出されたとは言え、ジャパンCダートの敗戦がどうしてもぬぐえていなかったので、きっぱり勝利して遠征できるのはなによりです。

 ゴールドアリュール陣営は、遠征の経験もあり、このひと月、ベストの状態に持っていけると思います。

 ダート戦線は、ビワシンセイキ、イーグルカフェなど、当面の顔ぶれははっきり見えてきました。

 ところが、春の天皇賞に向けて、ダイヤモンドS、京都記念からつかめるものは何もありません。いつまで立っても、主役らしきものが現れない、これは困ったことです。

 稍重で切れ味を発揮できなかったとは言え、ダイタクバートラムが3着に敗れたダイヤモンドS。1、2着が軽ハンデの格下馬で、スローペースの前残りに近い結果でした。それでも突き抜けて勝ってこそ、春の主役と期待したのですが、いつも折り合いに専念せざるを得ない気性では、まだ問題は残ります。

 一方の京都記念も稍重、ここも伏兵馬の逃げ切りで天皇賞につながる馬は、残念ながら見当りませんでした。

 脚をとられて予想以上に道悪がこたえたローマンエンパイア、道中外にモタれて思いどおりに走れなかったノーリーズンなど、ここを勝って一気に有力候補に名のりをあげたい馬の大敗には、少々ガッカリ。残る前哨戦、阪神大賞典まで下馬評は立てにくいことになりました。

 春の舞台の京都は、速い上がりタイムがマークされるという点を頭に、残るステップレースを注意深く見ていくことに。

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長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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