ダービーを人気に絞るか手広く押さえるかが買い目作りの鍵

2012年05月26日(土) 20:00

 今週は東京と京都の2場開催で、WIN5は東京8Rの青嵐賞からスタート。発売締め切り時刻は14:00(JRAダイレクトは13:55)となっています。先週から40分も繰り上がりますので、まずはお買い逃しのないようご注意ください。

 注目は何と言っても東京10Rの東京優駿(日本ダービー)。競馬ファンや関係者にとっては特別な意味を持つレースだけに、WIN5だけでなく通常の式別でも「何とか的中させたい」と考えている方が多いはずです。そうした心理が影響しているのか、このレースは数あるJRAGIの中でも単勝1番人気馬の勝率が非常に高い一戦。過去20年(1992〜2011年)の全JRAGIを見ても、単勝1番人気馬が10勝以上しているのは日本ダービーだけ(13勝)で、次点の宝塚記念、マイルチャンピオンシップ、有馬記念(各9勝)を大きく引き離していました。もっとも、2007年以降の単勝1番人気馬は7着→1着→12着→3着→1着ですから、それ以前の年に比べるとやや苦戦気味。人気サイドの馬に絞り込むのも、人気薄まで手広く押さえておくのも、それぞれ理に適っていると思います。ここをどう判断するかが買い目作りのポイントです。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→京都10R 安土城S
 前走鞍馬Sではハナを切れたものの、前半3Fを33.8秒と自滅してしまうラップでの逃げになったオーセロワ。戦前の「34秒後半で逃げられれば」という安田隆行調教師のコメントからも仕方ないところでしょう。

 今回は距離が1F延びて、安田隆行厩舎の勝負調教に該当。調子が良いのは間違いありませんから、あとは前半をとにかくゆったり逃げられる展開になることを祈りましょう。

推奨馬:7.オーセロワ

●今週の多点買いレース
→東京10R 日本ダービー
 先週行われた東京芝2400mの2鞍は最終追い切り坂路馬場が優勝。この点を重視すれば、最終追い切りが坂路の馬に対象馬を絞れます。

 その中でも最終追いで坂路2F24.5秒の抜群の切れを見せたのがヒストリカル。2週続けて4F50秒台をマークしたことは、今の高速馬場に適していると思います。アルフレードはラスト1Fが最速ラップの11.5秒。ゴールドシップ、ディープブリランテは坂路調教馬で、ベールドインパクトは坂路追いではないものの、大久保龍志厩舎の勝負調教に該当しているので無視できません。

推奨馬:2.ヒストリカル、5.ベールドインパクト、6.ゴールドシップ、10.ディープブリランテ、18.アルフレード

【奥田隆一郎のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→京都10R 安土城S
 エーシンホワイティは、距離1200mがベストだが、平坦コースなら1400mも対応できる。前走は東京芝1400mの重賞で6着までだったが、直線平坦な京都に替わり、相手関係もラクになる今回は勝ち負けになる。

推奨馬:8.エーシンホワイティ

●今週の多点買いレース
→東京8R 青嵐賞
 ラッキーバニラは、4走前に東京芝2400mで現級の馬券になった。左回りの東京・新潟の長距離戦に適性があり、自分のペースに持ち込めば大駆けできる。

 サクセスパシュートは、前走にて直結コース東京芝2000mの現級を連対した。今期は好調で連対を続け、今回も勝ち負けになる。

 カノンコードは、4走前に同コースの現級で2着した。さらに前走は直結コースの京都芝2400mで4着に善戦。この距離を得意にしており、休み明け緒戦から注目する。

推奨馬:8.サクセスパシュート、9.ラッキーバニラ、11.カノンコード

【古澤秀和のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→東京10R 日本ダービー
 ここはあえてトーセンホマレボシ1頭で攻めたい。前走は落鉄していながらのレコード勝ち。いくら時計が速い馬場だったとは言え、なかなかこんな勝ち方ができる馬はいない。薄手の馬体でツナギなどのパーツも長いので、距離延長は望むところだし、先行有利の馬場状態もこの馬にとってはプラス材料。逃げ馬の番手でうまく運べば、ここは勝ち切れると見る。

推奨馬:14.トーセンホマレボシ

●今週の多点買いレース
→東京9R むらさき賞
 ここは多点買いで臨みたい。まずはエチゴイチエ。ネオユニヴァース産駒で軽い骨格をしているので、時計の速い軽い馬場は得意な方。前目で運べるのは今の馬場では有利な材料だし、ここは頭まで十分ある。

 リヴェレンテはここのところ後方からの競馬になっていたが、馬体の造りからはもう少し前で運べるはず。内目の枠を引けたし、ここは乗り替わりで新味を期待。

 トーセンジャガーは前走で惨敗を喫しているが、敗因は距離とハッキリしている。得意の1800mなら崩れないし、脚質も有利になりそうなここはチャンス十分。

 リルダヴァルは前走時の馬体に復調気配が見られたが、レースでは出遅れて後ろからになり、上位争いには至らなかった。今回は更に良くなっていそうだし、このハンデでも勝ち負けできて良い。

推奨馬:5.リヴェレンテ、6.エチゴイチエ、7.トーセンジャガー、15.リルダヴァル

【伊吹雅也のWIN5見解】
●今週の1点勝負レース
→東京10R 日本ダービー
 前走がJRAG?以外だった馬は2002年以降[0-6-3-69]。通常の式別なら無視できませんが、WIN5に関しては思い切って軽視するのも一つの手でしょう。また、前走がJRAG?、かつ4着以下だった馬は2002年以降[1-4-3-55]。大敗からの一変もあまり期待できません。こうした傾向を鑑みると、今年も皐月賞上位馬を素直に信頼した方が良さそう。ただし、2005年以降の日本ダービーは5〜8枠の馬が[0-2-4-63]と圧倒的に内枠有利です。大外から追い込む競馬で結果を残してきたワールドエース、5枠10番を引いたディープブリランテには厳しい競馬となるはず。これなら、内枠にも実績があるゴールドシップを重視すべきだと思います。

推奨馬:6.ゴールドシップ

●今週の多点買いレース
→京都9R 東大路S
 今年の3回京都ダート1800m(5月20日終了時点)は、4歳以上のレースに限ると4コーナーを5番手以下で通過した馬が[0-2-3-62]。圧倒的に先行有利です。また、前走が1800m超だった馬も[0-2-2-18]。個々の馬を見ると、ダート1900m以上に実績のある馬が苦戦している印象でした。1600万下から上のクラスで3着以内となった経験がある馬のうち、クラシカルノヴァは距離適性が、サンライズクォリア、ドリームトラベラー、プレファシオ、マストハブ、ミッキーバラードは脚質が、リフトザウイングスはダート適性が不安。2連勝中のダノンフィーバー、ダート1800mが合っているウインドミネーター、ナリタシルクロードを中心にできるだけ手広く押さえるべきでしょう。

推奨馬:6.ダノンフィーバー、8.ウインドミネーター、12.ナリタシルクロード

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

新着コラム

コラムを探す