2012年06月14日(木) 18:00 21
暑い! 栗東トレセンも本格的な夏到来です。どれだけ陽射しが強いかは、このウインバリアシオンの写真をご覧いただければわかるでしょう。午前8時前の撮影だというのに、逆光というだけでウインバリアシオンの馬体は影絵のように真っ黒にしか映りません。
ウインバリアシオンが影絵のよう
春先までは補正すればなんとか使えたものですが、陽射しが強くなればなるほど、無理ですね。トレセンを歩いているだけで焼けてしまうので、困ったものです。さて、本題。今週もウインバリアシオンの登場です。このコーナーで何度となく取り上げていますし、読者の中には「またか!?」と思われる方もいるかもしれません。ですが、そう思われても余りあるほど馬の具合が素晴らしいのです! 先週より、さらにグググッと雰囲気のよさが増しています。
具体的にいうと、「最近、走っていて“タタラを踏む”ようなエラーが少なくなった」(中山助手)とのこと。以前は馬体が成長途上ということもあり、どこか“緩さ”を抱えていました。しかし、ここにきて馬の体が締まって緩さが消えたことで、フォームがしっかりして踏み間違えが減ったのです。
今週の追い切りでは後続に4馬身離すパフォーマンスを見せましたが「まだ余裕はあった」(中山助手)とのこと。まさに充実一途という感じです。
充実一途のウインバリアシオン
先週の当コラムで、岩田騎手が「ゆっくり深く」をイメージに仕上げている、という話を書きました。これこそまさに「これまでの緩さを解消し、走りを完成させる作業」だと中山助手は評していました。以前は道中はリラックスして走り、ラストで仕掛ける。という競馬でしたが、ここにきてもう少し早い確実な仕掛けを見せてくれるのでは? と察しています。ちなみに、先週の段階で岩田騎手は「土日も乗りたい」と話すに留まっていましたが、結局、その想いを貫いて土日とも調教に参加。土曜早朝に栗東で調教→阪神競馬に騎乗→栗東に戻り→日曜早朝に栗東で調教→阪神競馬に騎乗というスケジュールだったとか。さらに、今週月曜の朝も手入れに自ら参加し、しばしの別れ(火曜から函館遠征)を惜しんでいたそうです。心底、馬が好きでなければできないことですよね。敬服します。
メンコを外すショウナンマイティ
そして、ウインバリアシオンと同じくらい脅威なのがショウナンマイティ。「勝ちにいく」と梅田智之調教師は背水の陣を引いています。「鳴尾記念のあとからメンコを外しています。これでさらに馬を敏感にさせてズブさを解消するのが狙い」(梅田智師)とのこと。今週の追い切りではウッドチップコースで浜中騎手が騎乗し、終い重点の調教。
netkeiba内の今日付けのニュースでは、終いが36.7-11.7秒と計測されていますが、「違う社では36.5-11.4秒という時計もあった」(梅田智師)とのこと。
「とにかく具合はめちゃくちゃいいし、今はこの状態をいかに維持していくかが課題」と梅田智師は自信を深めていましたよ。なお、来週の追い切りは水曜日を予定。騎乗者は「馬のテンションが高いようなら西原助手を乗せるが、浜中も乗りたいと言ってくれているので状態次第で乗せるつもり」とのことでした。
花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)