オルフェーヴルはやっぱりステイの息子

2012年06月28日(木) 18:00

 先週の宝塚記念、オルフェーヴルの状態について池江泰寿調教師は「七分のデキ」と公言していました。にもかからわず、あまりに見事な復活V! これには、さすがに恐れ入りました。

 しかし、当日のパドックでみせた馬体や雰囲気は三冠優勝時と比べて明らかに見栄えが悪く、池江師の「七分のデキ」という言葉に真実味が増したのも事実。一般的な競馬の常識を当てはめると首を傾げたくなる状況でした。


オルフェーヴル見事な復活V

オルフェーヴル見事な復活V

 ところが…、そもそも“一般的な競馬の常識”を当てはめたのが間違いだったのかも。宝塚記念の帰り道、池江泰郎元調教師の言葉を思い出し、そう思ったのです。

「ステイゴールドは『いいぞ!』と思った状態で出走させても結果がついてこず、逆に『今回はどうだろう?』と自信があまり持てない状態の時に勝っていた。最後まで、つかみどころのない馬だったね」

 人間でも年を重ねるにつれ、親の嫌な部分が似てくるといいます。オルフェーヴルも同じで、年を経て、父ステイゴールドのDNAがより開花したのでは? と察します。だから、これからもダメバージョンのときにアッサリ優勝したり、調教で絶好調なのに惨敗したりすることもあるでしょう。


ショウナンマイティ秋こそGIを

ショウナンマイティ秋こそGIを

ディープブリランテ29日検疫へ

ディープブリランテ29日検疫へ

 それがオルフェーヴルの個性なのだ、と思います。まぁ、馬券を買うには困った馬ですが(苦笑)、愛すべきヤツであることには変わりありません。ちなみに母の父である池江泰郎元師のメジロマックイーン評はステイゴールドと正反対。

「まじめで優等生。状態のいいときには必ず結果を出してくれた」

 こちらの血が出てくれれば、これほど馬券を買いやすい馬もいないのですが…競馬って難しいですね。

 27日、オルフェーヴルに同じくショウナンマイティもノーザンファームしがらきに放牧に出ました。「2着馬とは通った馬場の差で負けたが、力負けだとは思っていない。秋こそ、GIを獲りたい」と梅田智之調教師。札幌記念か毎日王冠での復帰を予定しています。

 オルフェーヴルより一足先に海外遠征に旅立つディープブリランテ。キングジョージ6世&クイーンエリザベスSへ挑戦するため、29日に出国準備のため検疫厩舎に入る予定。その直前の28日に住み慣れた馬房での様子を見てきました。

 とても落ち着いており、相変わらず毛ヅヤもツヤツヤ。「1頭で行きますが、現地はトレセンに比べてひじょうに穏やかな環境なので馬がボーッとしないかが心配」とイギリスへ同行する渋田助手。こればかりは行ってみないとわかりませんが、春当時はテンションが上がりすぎてしまうところがあった馬だけに無駄にイレ込むよりはいいとみました。朗報を期待しましょう。

シゲルスダチいよいよ復帰

シゲルスダチいよいよ復帰

 最後に、今週のCBC賞でシゲルスダチが復帰します!

「筋肉質になってすごくいい馬体」と西園師。調教時計は以前に比べると少々かかっている印象がありますが、前回までは騎手あがりの田中助手が調教をつけていたのに対して、今回は体重の重い助手さんを背にしての時計。まったく問題ないでしょう。

 結果はもちろん大事ですが、今回は無事の完走を祈りましょう。

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花岡貴子

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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