飛騨ステークス

2012年07月20日(金) 18:00

 3月の開催とは一変。高速コースとなったこの開催で、ここまでに行われた芝1400mのレースは全部で10鞍。良馬場の初日に500万下で「1分20秒0」のレコードが記録されたあとも、良馬場(今週も良馬場見込み)である限り、引き続き時計は速い。

 上のクラスのレースはこの飛騨Sが初めてだが、先週、Bコースで行われた500万条件の2鞍が1分21秒2と、1分21秒0だったから、ふつうのペースで展開するなら、ここはレコードと同じ「1分20秒0」前後だろう。追い込みも決まっているが、脚質うんぬん以前にこの距離を1分20秒前後(1200mなら1分07秒台後半が目安)で乗り切るスピード能力をもつことが、好走の必要条件と思える。

 6歳のダノンプログラマー(父ウォーエンブレム)から入りたい。このセン馬、3歳後半から4歳前半にはすでにこの1600万条件にいて、もう少しでオープン出世もみえていた。当時から1400mでは1分20秒台を再三記録し、最高時計は「1分20秒2」。また、尺度となる1600mでも1分33秒5があった。

 そのあと決してスランプに陥ったわけではないが、4歳後半から、転厩、去勢、長期休養が約1年3か月にも及んだ。去勢して気難しさや、仕上げの難しさがなくなり、さらに一段階上まで行けるかどうかは、あくまで結果しだいだが、今年に入って1400mを自己最高の「1分20秒1」で乗り切ってこのクラスに盛り返すと、前回は1600mでも自身最高の「1分33秒1」。

 去勢は失敗ではなく、あと一歩でオープン突入が望めるところまで復活、さらには進境をみせてきた。最大の強敵ツルマルレオン(父ハーツクライ)は、今回はいきなり58kgのトップハンデ、さらに外の16番枠。ダノンプログラマーは55kgでコースロスを防げそうな内の4番枠。十分に逆転可能だろう。出負けせず、中団の前につけたい。
ツルマルレオンと、ハナさえ切れれば少々のハイペースでも快速が生かせそうな伏兵カトルズリップス(父マンハッタンカフェ)が本線。そう順当には決着しそうもないハンデ戦なので、以下、サクラクローバー、ノーブルディード、エーシンハーバー、3歳馬ガンジスまで流したい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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