目的実現に向けて行動は続く

2012年07月26日(木) 12:00

 出来るか出来ないかわからぬ時は、出来ると思って努力せよと言う。そうだろう。歴史上の人物でこれを実戦した人は多いし、その行動で後の世に大きな足跡を遺した者も記憶にあるだろう。中国で三民主義を唱え、革命の父と呼ばれた孫文にこんな言葉があった。

 人生すべて七転八倒だ。大切なことは自分をそそらさせないことだ。絶望さえしなければ必ず成就する、と。

 ここから見えてくるのは、思い込みも大切だということである。思い込みを目的と置き換えると分かりやすい。この目的がなければ実現もありえないではないか。まず、どうありたいかを決めなくては。そうだろう。そして、次に出てくる言葉は、無駄になる努力はないだ。野球の神様、川上哲治が述べたことで知ったが、多くの成功者の実感でもある。

 サマースプリントシリーズ第3戦に勝ったパドトロワ、デビュー21戦目につかんだ悲願の初重賞タイトルだったが、昨秋のスプリンターズSの2着馬なのに、その後の香港スプリントの大敗を含めいいところがなく、アイビスサマーダッシュでは7番人気、信頼は薄かった。だが、時間はかかってもやってきたことに無駄はなく、海外遠征も糧となり、目的として思い込んだことが成就できる道すじが見えてきた。

 暑さに強いタイプだということ、余裕残しの体が絞れてくるという見込みもつくし、パドトロワにとり、いい風が吹いてくる予感は十分に立つ。当面の目標は夏のスプリント王者。そして、その先にあるのが大一番での打倒カレンチャンだ。

 出来るか出来ないかわからぬまま、ここまで来たかもしれない。だが、ここまで来るには、絶望さえしなければとまではいかなかったにしろ、無駄になる努力はないの思いは強かっただろうし、なによりも、強い目的意識が支えにあった。さらなる目的実現に向けて行動は続く。七転八倒した甲斐はあった。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

長岡一也

ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

新着コラム

コラムを探す