2012年08月01日(水) 18:00
例年よりも涼しく快適な夏だとばかり思っていた日高地方だが、7月下旬より、にわかに気温が上昇し始め、このところ連日酷暑が続いている。一気に夏らしくなってきたのを待っていたかのように各地ではこの季節を彩るイベントが毎週どこかで開催されている。
去る7月28日(土)、29日(日)には「うらかわ馬フェスタ2012」が浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場内の特設会場にて行われた。これはシンザンフェスティバルと浦河競馬祭(草競馬)を合同で開催するもので、シンザンフェスティバルは27回目、浦河競馬祭は46回目を数える。6年前より合同開催するようになった。
両日ともこれ以上ないほどの好天に恵まれ、日高管内を始めとして各地から多くの観光客や競馬ファンなどが訪れ、賑わった。
オープニングの28日(土)は夕刻6時より第26代ミスシンザンの発表で幕を開けた。今回、新たにミスシンザンとなったのは池上妙子さん(25歳)と畑田紫織里さん(19歳)の2人。これから1年間、浦河町の顔として各地の行事に出張し、町をPRするのが仕事だ。
最大のビッグイベントは来年1月、京都競馬場で行われる「シンザン記念」の表彰式にプレゼンターとして参加すること。それぞれ「浦河をしっかりとPRしたい」「いろいろな行事に参加し頑張りたい」と抱負を語っていた。
新郎新婦が馬車で登場
2人で愛の火を点火
ところが、フェスティバル数日前になり札幌カップルの夫人が懐妊していることが分かり、急きょ結婚式参加を取りやめる事態になった。そのため、今年は池田夫妻1組だけの馬上結婚式となり、その分だけ例年よりも時間をかけてのセレモニーとなった。
儀礼馬車に乗った2人が会場に現れる場内から静かな拍手と歓声が湧き上がり、ステージ上で挙式証明書が中島雅春・シンザンフェスティバル実行委員長から手渡された。その後、来賓祝辞や指輪交換、最後にメモリアルトーチに愛の火を点火して、セレモニーが終了した。
2日目は浦河競馬祭。ここ数年、サラブレッドやトロッターなどの減少に悩まされているが、反対に盛り上がりを見せているのはポニー競馬である。今年も11月4日(日)に東京競馬場にて行われる「第4回ジョッキーベイビーズ」への出場権のかかった予選2レースが実施され、白熱した戦いが繰り広げられた。
まず第2レースは「ポニーサマーダッシュ」。出走は8頭。距離200m。
1.ハク(中神美渚)浦河ポニー少年団 2.アパネネ(大西美廣)大西雅秀 3.マーブル(宮内勇樹)浦河ポニー少年団 4.金太郎(中神優織)チェスナットファーム 5.チャオ(谷口遼斗)浦河育成センター 6.メルモチャン(大池澪奈)浦河ポニー少年団 7.フランキー(大池駿和)浦河ポニー少年団 8.レグルス(木村和士)NO9ホーストレーニングメソド
ゴール前のデッドヒート
好勝負を制した2人が東京での決戦へ
2時間後に行われた第7レース「JB北海道予選2」距離350mにも同じメンバーが揃って出走し、この2レースの結果をポイントで加算し代表2名を選出する方式だ。
第7レースは第2レースと同様にレグルスとメルモが抜け出し、マッチレースとなった。また第2レース3着に健闘したハクは中神美渚騎手がレース途中で落馬するアクシデントもあり失格した。1着はレグルス(木村和士)の26秒67。2着はメルモチャン(大池澪奈)の26秒69。3着フランキー(大池駿和)。4着チャオ(谷口遼斗)。5着マーブル(宮内勇樹)。
この2レースの結果により、東京競馬場行きの切符を手にしたのは、木村和士君(浦河第一中1年)と大池澪奈さん(東部小学校6年)の2人である。
なお、浦河の子供たちに混じって、道東・中標津町から果敢に遠征してきたアパネネ号騎乗の大西美廣(みのり)さんは、第2レース7着、第7レース6着に終わった。しかし、こうした新たな挑戦がなければポニー競馬は盛り上がらない。他地区からの、さらなる出走をぜひ促して行きたい。
ところで会場には多くの出店が並び、29日(日)にはキャラクターショー(スマイルプリキュア)やポニー馬車の運行、JRA育成牧場の見学ツアー、ホースショー、JRAによるトークショー(AMEMIYA)などのメニューが目白押し。終日、多くの人々で賑わっていた。 折から前日の金曜日よりロンドンオリンピックも始まっており、集客がやや不安視されていたが、幸い晴天に恵まれて盛会のうちに幕を閉じた。
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田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。