北陸ステークス

2012年08月03日(金) 18:00

 今季の新潟のダートは時計が速い。第1週、サマーソングの勝った1000万特別ダート1200mが「1分10秒7」で決着し、3歳未勝利のダート1200mで「1分11秒8」が記録された当時は、雨で締まったコンディションが影響したと見えたが、良馬場の2週目の古馬500万下が「1分10秒8」。

 そして晴天続きでダートの水分が少ないはずの先週が、3歳未勝利戦で1分11秒台が連続し、古馬500万下が「1分10秒7」。古馬1000万特別はエーシンジェイワンが前半3ハロンを32秒8で飛ばし、そのまま押し切って「1分10秒4」。未勝利戦や、500万条件と比較するとき、エーシンジェイワンの時計はあまりたいしたことはないのではないか。と、思えるほど下級条件でも時計が速いのである。

 コーナー4回のダート1800mはそれほど目立たないが、芝からスタートのダート1200mは好タイムの連続である。先週の馬場をみていると、あのあとずっと晴天続きの良馬場のはずだが、ここは「1分10秒0前後」になっても不思議はない。たまたま内枠に被されるのを嫌って行きたい馬が多い。流れも厳しいだろう。

 5歳シセイオウジ(父キングカメハメハは昨年も、今年もここまでダート限定の総合種牡馬ランキング1位)の充実ぶりと、追っての味を中心に取りたい。

 休み休みだった3〜4歳時は下級条件にとどまっていたが、5歳になって1000万条件を突破すると、1600万条件突破も見えてきた。毎回、騎手が異なること、そして差し一手の脚質も印象が悪いから、ここ3戦は「9、6、7」番人気。でも、「0秒4、0秒2、0秒3」で5、2、2着。前回など上がり34秒9で突っ込んでみせた。

 予測通りのハイペースの流れになれば、この相手なら届きそうである。

 ファンタジーS3着の記録をもつブライアンズタイム産駒の母ブライアンズイブ。そのファミリーは、ブライアンズタイムとの組み合わせで大成功したファレノプシス、ナリタブライアン、ビワタケヒデなどが代表する「パシフィックプリンセス」一族。豊かな成長力を伝えている。5歳夏とはいえキャリアはまだ17戦。順調に使えるようになったいま、もうひと回りのスケールアップに期待したい。

 今春、すでにこのクラスを1度勝っているシゲルソウサイ(父Tale of the Cat)と、渋い先行力で崩れないアイアムルビー(Saint Liam)の2頭を本線に、今週の動きが光ったチャンピオンラブ、距離短縮がプラスとなりそうなメジャーアスリート、伏兵ヒシコモンズ、大穴グローリールピナスに流したい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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