名牝の孫・エピカは小倉2歳Sを狙う

2012年08月16日(木) 18:00

 清水久詞調教師といえば、調教助手時代に桜花賞馬ファレノプシスを担当していたことで知られています。清水久師がかねてから願う夢のひとつは“ファレノプシスの血統で大レースを制すること”。そして、その夢の蕾がいま、すくすくと膨らもうとしています。そう、8月4日に小倉で新馬勝ちしたエピカは祖母がファレノプシスなのです。

「管理馬はすべて思い入れはありますが、やはりファレノプシスは思い出深い馬なのでもちろん嬉しいですよ」と清水久師。

名牝ファレノプシスの孫エピカ

名牝ファレノプシスの孫エピカ

 まず、ファレノプシスとエピカについてうかがってみました。

「2頭の共通点ですか? まず、体つきが似ていますね。あとは実戦タイプなところ。ファレノプシスもデビュー前は調教で動かなかったのでまったく話題になりませんでしたから」(清水久師)

 ひじょうに根性がありそうな馬で、普段もあまり“怯む”といったことは知らなさそうな雰囲気。小柄な牝馬ながら「馬ごみをこわらがらない」(清水久師)点もいいですね。

 気になるローテーションですが、このあとは小倉2歳Sへ進むそうです。血統的には短距離向きですが「今後はマイルまでは対応できるように育てていきたい」(清水久師)とのことでした。

軍団新鋭シゲルサジタリアス

軍団新鋭シゲルサジタリアス

 先週、シゲルスダチの隣の馬房にシゲル軍団の新星が入厩しました。その名はシゲルサジタリアス。父は2002年のドバイワールドカップを制したStreet Cry。あのゼニヤッタを輩出した名種牡馬です。母の父はストームキャット。シゲルスダチと同じ鈴木厩務員が担当しています。

 芦毛のシゲルスダチと対極的にこちらは黒鹿毛。馬体はかなり筋肉質でドッシリしています。いかにもダートで活躍しそうな雰囲気。顔がちょっと特徴的でハナがプヨプヨしています(笑)。ほうれい線というか、ハナの穴に沿って複数のシワがよっているんです。毛色も黒っぽいし、たとえていうとゴリラのハナみたいなかんじ。

「そうなんです。運動中も“ゴリラや〜”とからかわれます(苦笑)」と鈴木さん。

 普段、馬房ではよく食べよく寝る健康優良児。スダチもそうですが、周囲に人がいようがいまいが関係なく、全身を横たえてグーグーとよく寝ています(笑)。

「スダチもそうですが、こうやって疲れをとっているんでしょうね」(鈴木さん)

 性格もとくにキツイというころもなさそう。中にはミストに驚く馬もいますが、それもなく普段はゆったり過ごしているようです。調教ですが、秋のデビューに向けてジックリ積まれています。

北九州記念出走シゲルスダチ

北九州記念出走シゲルスダチ

 最後にMy注目馬のシゲルスダチ。今週は北九州記念に出走します。「小倉はフェニックス賞2着など実績がある」(西園師)し、なによりスダチ自身が元気いっぱい。一般的にレース後は疲れをはやめに取るために疲労回復の注射を打つことがありますが、スダチの場合はいつも回復がはやいためにその必要もないそうです。

「超マイペースでよく食べ、しっかり休むのがいいんでしょうね」と鈴木さんもニッコリ。その笑顔とスダチの顔をレース後にウイナーズサークルで見れたら最高ですね!

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花岡貴子

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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