2012年08月22日(水) 18:00
今週月曜日より新ひだか町静内の北海道市場でサマーセールが始まっているが、それについては来週セール終了後にまとめて書くことにして、今回は8月16日、門別競馬場で行われた「ブリーダーズゴールドカップ」と19日の「札幌記念」について触れる。
16日の道営・交流重賞「第24回ブリーダーズゴールドカップ(JpnII)」は、お盆のこの時期に行われる伝統の一戦として定着しているが、今年は出走予定馬が当初7頭と少なく、やや寂しい顔ぶれとなった。
ブリーダーズGCはシビルウォーが優勝
エイシンブイダンスは昨年秋まで中央競馬に所属し、その後地方に移籍。東海から道営に転厩後これまで5戦を消化している。またトーセンスターンも昨秋まで中央にいた準オープン級で、年が明けてからこれまで南関東で5戦しているものの苦戦が続いている。
ところが、地元のエイシンブイダンスが直前になってから出走を取り消してしまったために、7頭が6頭に減じてしまった。のみならず、地元道営所属馬が1頭もいなくなる異例の事態となった。背後にどのような事情があるのか判然としないが、せっかくの交流重賞でありながら、地元ファンにとっては何とも寂しいレースになったのは否定できない。
レースは予想通り、中央勢5頭が引っ張る展開で、昨年の優勝馬シビルウォーが先行するテスタマッタを直線で捉えると、そのまま一気に突き放して6馬身差で優勝した。そこから2分の1馬身差の3着はメイショウタメトモ。さらに9馬身差の4着がピイラニハイウェイ。5着がダイシンオレンジ。唯一の地方所属馬トーセンスターンは6着であった。
内田博幸騎手はこのレース初制覇。戸田博文調教師は昨年に続いて2連覇。シビルウォーは今後、金沢の白山大賞典を目指し調整する予定のようで、秋以降、ダート路線でのさらなる活躍が見込めそうだ。
それにしても、地元勢不在の交流重賞は過去に例があっただろうか。地元勢の各陣営がより確実に勝ち負けできそうなレースを選択した結果揃って回避することになったのかも知れないのだが、何とも残念としか言いようがない。
ただこの日は好天に恵まれて多くの入場者が来場し、場内は混雑していた。せめてもう少し頭数が揃っていたらと思う。
19日(日)は「第48回札幌記念」が行われた。札幌競馬場は今年の開催終了後、スタンド建て替え工事に入り来年度は開催を休止することになっている。そのこともあってか、この日の札幌は30度に達する酷暑にもかかわらず、前年比3割増の3万3千人もの入場者が来場し、大変な賑わいであった。
当初出走を予定していた昨年の覇者トーセンジョーダンが裂蹄のため回避したものの、ダークシャドウ、ヒルノダムール、ハナズゴールなどが顔を揃え、2年間の休養を経て復帰したロジユニバースも出走するとあって豪華なメンバーになった。
札幌記念のパドックには大勢のファンが
フミノイマージンが札幌記念を制覇
レースはアリゼオが先行する展開で流れ、ダークシャドウが好位につける。4角を回ったところで先頭に立ったダークシャドウを外側から交わしてフミノイマージンが抜け出しを図り、2分の1馬身差でゴールした。
フミノイマージンは牝6歳馬。過去にもエアグルーヴやティエムオーシャン、ファインモーションなどがこのレースを制しており、札幌記念は牝馬の活躍する重賞でもある。太宰啓介騎手、本田優調教師ともに今年初の重賞制覇であった。
厳密にはまだ2週4日間の開催が残っているものの、柱のある札幌競馬場スタンドとはもうすぐお別れとなる。再来年夏にどういう競馬場に生まれ変わっているか楽しみでもある。
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田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。