レインボーS

2012年09月14日(金) 18:00

 大きく人気が割れそうな組み合わせになった。8歳馬3頭を含むベテラン同士中山内回りの2000m。最大のポイントは、現在、とにかく超高速の芝コースであること。

 先週の京成杯AHは、従来のコースレコードを一気に0秒8も短縮する「1分30秒7」の日本レコードであり、条件戦の芝1200mでは、日曜に1分06秒9。土曜日の1分07秒0など最下級の500万下だった。とにかくタイムが異常なほど速い。

 当然、レース展開とペースを考えたくなるが、ここで見解が大きく分かれる。やっと復活の手応えをつかんだヤマニンエルブ(父サッカーボーイ)はもちろん行くだろう。ただ、新潟で「58秒6-60秒2」=1分58秒8は、3歳秋のセントライト記念を2着した当時の果敢な行き方ではなく、かなり展開に恵まれた印象が濃かった。さらに復調を示してほしいが、中間の変に体を斜めに傾けるフットワークとあわせ、まだまだ半信半疑。

 他馬の騎手もみんな異常にタイムの出る芝をわかっている。相手の出方にもよるが、内のユキノハリケーン(後藤浩輝騎手)も、マルカボルト(内田博幸騎手)も、バイタルスタイル(大野拓弥騎手)も、中舘騎手のメイショウサミットも、エスピナアスール(田辺裕信騎手)も、できるならこの高速馬場を考えるまでもなく、もともとが持ち味は自分でペースを作っての「逃げ戦法」である。逃げ=先行馬がそろうと案外、競り合いは避けられ流れが落ち着いたりするものだが、先週の京成杯AHでは、前半の1000m通過56秒2で飛ばした伏兵ゼロスが止まったとはいえ、自身の持ちタイムを2秒以上短縮する1分32秒2で乗り切っている。

 先行タイプは、弱気になって相手に譲った時点で好走から遠ざかるだろう。高速の芝を意識して、いつもより速い流れになって先を争う公算もかなりある。

 出遅れない限り、中団から差す形になりそうなケニアブラック(父ジャングルポケット)を狙いたい。中山コースのほうが出負けすることが少なく、この馬、好走例はすべて坂のある中央場所。ここ2戦のローカル戦の凡内容は度外視して考えたい。中山で凡走したのは未勝利を勝った直後にわずか3戦目に挑戦した3歳初期の京成杯と、大の苦手だった道悪の4走前だけ。6歳馬ながらまだキャリアは浅い。時計は目立たないが、気合満点の行きっぷりから、今回のデキは悪くない。上々だろう。

 たたき3戦目のラフォルジュルネ、強気に行くだろうヤマニンエルブ本線だが、マルカボルト、プティプランセス、ビンテージチャート、マコトギャラクシーが連下候補。ケニヤブラックは人気薄の伏兵なので、ちょっと手広く、かつ強気にいきたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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