凱旋門賞優勝者だけが乗れる馬車に父を乗せたい

2012年10月04日(木) 18:00

 凱旋門賞を優勝すると関係者は馬車に乗って表彰台へ向かいます。それを教えてくれたのは、他の誰でもない池江泰寿調教師。だいぶ前ですが、将来の夢を語ってくれたときのことでした。

「いつか、自分の管理馬で凱旋門賞を勝ち、父をその馬車に乗せてあげたい」と熱く話していました。父とは、もちろん池江泰郎元調教師のこと。それをまだ当時は調教師だった池江泰郎氏に伝えたら、そのすぐあとに直接息子さんに確認されたそうです。

「そんなふうに想っていてくれるんだね」と池江泰郎氏はホッコリと感慨深げな表情をしていたのをすごくよく覚えています。

 そしていま、その夢がすぐ手が届きそうなところまで近づいてきています。子供のころから調教師という職業に憧れ、育ってきたという池江泰寿調教師。その夢、叶うといいですね。

フォゲッタブル、乗り込み十分

フォゲッタブル、乗り込み十分

 さて、大注目の池江厩舎ですが、栗東で留守を守る馬たちも頑張っていますよ。京都大賞典では10か月ぶりにフォゲッタブルが出走します。

「9月4日に帰厩した後、しっかり乗り込まれています。調教で動くタイプではないのですが、じょじょによくなっていますね」(兼武助手)

 目立った動きはないものの「フォゲッタブルなりのペースで仕上がっている」といった印象です。あいかわらず気持ちが若いというか、遊び心を忘れない感じ。運動でも一番前をグイグイと力強く歩いていましたよ。後ろには9月30日に栗東へ戻ってきたサトノノブレスなどを引き連れ、まだまだ元気なところを見せていました。

サトノノブレス、次走は東京"

サトノノブレス、次走は東京

 そして、サトノノブレスですが、こちらは10月20日の東京競馬・いしょうSに出走を予定しています。鞍上は内田博騎手。

「新馬勝ちと比べて馬体の大きな成長はありません。とにかく元気いっぱい」と田重田助手。10月4日から馬場での調教を再開して「翌5日にウッドチップコースか坂路で少し速いところをやる予定」(兼武助手)とのことでした。

 馬体はひじょうに黒光りしていてピッカピカ。馬から溢れんばかりの覇気も伝わってきてイイ感じです。

カレンブラックヒル

カレンブラックヒル

 毎日王冠にはカレンブラックヒルが出走します。帰厩当時、平田師も「横に幅が出てパワーアップした」と話していましたが、そのとおりより厚みが増した印象。

「レース当日は約10キロほど体重が増えると思う」(西口厩務員)とのことなので、およそ470キロでの出走となる見込み。

 馬房では春より落ち着いたなーという印象を受けました。これには「そうなんだよ。夏を越して心身ともに幼さが抜けた」と平田師はご満悦でした。

 無傷の4戦4勝ですが、今回は初の古馬戦。乗り越えるには手ごわい壁ですが「胸を借りる気持ち」(西口厩務員)で果敢に挑みます。

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花岡貴子

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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