2012年10月07日(日) 18:00
あまり激しいペースの攻防によるレースではないこと。また、そう多頭数にならないこともあって、京都大賞典はイメージより「牝馬」の快走が多い。
2010年メイショウベルーガ、2006年スイープトウショウ、1995年ヒシアマゾン、1987年トウカイローマン、1983年と85年のヤマノシラギク。さらにはそのちょっと以前に、メジロカーラ、シルクスキーがこの2400mのGIIを勝っている。
今年、男馬のGIホースは、オウケンブルースリ(57キロ)と、ローズキングダム(57キロ)の2頭だけ。オウケンブルースリは2009年に59キロで勝っているが、どうも好調時には戻れないでいる感が強く、昨2010年に59キロで勝っているローズキングダムも、必ずしも今年は誉められたデキではないと思える。
牝馬フミノイマージン(父マンハッタンカフェ)に期待したい。すでに福島牝馬S、マーメイドS、愛知杯、札幌記念を勝っているが、すべて5歳以降の勝ち星だから、近年まれにみる遅咲きの牝馬である。
中でも、もっとも強かったのが前走の札幌記念でダークシャドウ以下を力で捻じ伏せている。札幌で3コーナーから外を回ってまくり切って勝つのはオープンでは珍しく、フミノイマージンの勝ち方は迫力さえあった。
重賞4勝はすべて太宰騎手とのコンビによるもので、このコンビでの重賞成績は[4−0−2−3]となる。
母の父に登場するディキシーランドバンドは、デルタブルース、アメリカンボスなどの母の父でもあり、タフで丈夫な特徴を伝えている。
祖母はヴィヴィッドイマジネーション(北米4勝馬)。この牝馬は無名だが、その半妹に1992年生まれの牝馬セレナーズソング(その父ラーイ)。同馬は38戦18勝。GIを11勝もしているという意味では、歴史的な名牝であり、とにかくタフに出走している。フミノイマージンのファミリーは、もともとタフな血を伝えているのである。
この京都大賞典ではずみをつけ、次週の秋華賞に出走するジェンティルドンナなどの若いグループの牝馬と対戦したい。
ビートブラックが取り消したため、そう手を広げるレースではない。デキもう一歩でも57キロで、ひと息入れたときの方が走るローズキングダムと、このレース[1−1−1−0]のオウケンブルースリの2頭に、先行できるマルカボルトと、叩き良化型とはいえ4歳ギュスターヴクライを加えた、相手4頭とする。
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。