2012年10月11日(木) 18:00
今週の栗東トレセンは3日間開催の影響で火曜日が全休となり、水曜日に追い切る馬はあまり多くありませんでした。しかし、秋華賞に出走するラスヴェンチュラスは小島茂師を背に坂路で追い切り。時計は55.7-40.6-25.2-12.2秒。決して軽くはない小島茂師を乗せて、この上がりはかなりの好時計でした。
ラスヴェンチュラス
「先週の追い切りは馬の動きがよく、満足していました。しかし、そのあと想像以上にイレこんだ。イライラするのは馬房の中だけなんですけどね。運動中は大人しい。それをみて、追い切り後の回復に時間をかけたいと思い、先週の日曜日に終い重点の追い切りをして、今週は水曜日に追い切りました」(小島茂師)
今週は川田騎手に追い切りを依頼することも考えたそうですが、あえて小島茂師自ら跨りました。
「ジョッキーが乗ったらもっと速い時計が出たでしょう。でも、馬が(競馬だということを)わかっちゃうな、と思ったので。あえてジョッキーより体重が重い僕が乗りました。納得いく仕上げです」
あとは無事本番を迎えるのみです。
「ローズSはスタート直後に落鉄するアクシデントがありながら、力を見せてくれました。馬体重は前走(408キロ)を超えることはないと思います。もし、仮に410キロを超えたら追い切り後の調整がうまくいったと思ってください」
ホクトスルタン、安らかに
「先週の日曜日、スルタンが京都で走ると知って“見に行こうかな”と思ったけれど事情があって行けず、家で応援していたんです」
果敢に先頭で障害を飛ぶホクトスルタン。最後の障害までしっかり飛んで、あとは直線を走りきるだけ、というシーンで異変が起きました。次々と他馬に抜かれ、さっきまでの勢いがまったくない。そして、ゴール直前、明らかに歩様を乱してしまいました。
「テレビでその様子を見て、すぐに京都競馬場に向かいましたが…、間に合わなかった。残念でした」
ホクトスルタンは2009年の目黒記念を制し、庄野厩舎に初めて重賞勝ちをもたらしたメモリアルホース。事情があって庄野師の手元から離れはしましたが、庄野師の心の中にずっとスルタンは居たんですね…。
故障発生後もゴールを過ぎるまで走りぬき、入線したホクトスルタン。もう無理しなくていいので、天国でゆっくり休んでくださいね。安らかに。合掌。
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花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)