連覇を果たしたスノーフェアリーも牝馬三冠馬ジェンティルドンナもいない今年のエリザベス女王杯。混戦ムードが漂うなか、主役の座を虎視眈々と狙う人馬がいる。太宰啓介・フミノイマージンである。デビュー15年目にして初のGIタイトルを射程に入れた太宰騎手に、パートナーへの思いや、本番に向けての意気込みなどを聞いた。(取材・文:島田明宏)
太宰啓介にとってフミノイマージンは、初重賞制覇をプレゼントしてくれたパートナーであり、それを含む重賞4勝すべてがこの馬によるものという、特別な存在である。
デビュー2戦目、2009年1月の3歳未勝利戦から騎乗するようになった彼は、当初、この馬に対してどのようなイメージをいだいていたのだろうか。

デビュー前から厩舎の期待馬でした
「厩舎の期待馬で、デビュー前から乗り味はいいと聞いていました。ぼくが初めて乗ったのは、未勝利戦に向けての追い切りです。すごいいいものを持ってはいたのですが、あのころはまだ体質が弱くて、持っているものを出し切れていない感じでした」
それでもフミノイマージンは、09年1月11日、京都芝1600mで行なわれた3歳未勝利戦を勝つ。道中は中団の内で脚を溜め、ゴール前、馬群を割って鋭く伸びての勝利だった。
「乗る前からそれなりの期待と楽しみを持っていました。直線、狭いところを割って行ってもまったく怯まず、すごい根性だな、と思いました・・・
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GIの注目馬にスポットを当て、主戦騎手や管理調教師を独占取材するnetkeibaのスペシャルインタビュー。GIに向けた意気込みや中間の調整過程、レース後に直撃し、戦いの舞台裏にあった知られざる真実を語っていただきます。