2012年11月17日(土) 18:00 75
同じ1600mのGI安田記念が落ち着いた平均ペースや、スローに近いペースで流れることはめったにない。今年の安田記念、ハナに立って飛ばしたシルポートの刻んだラップにより、「44秒9-46秒4」=1分31秒3の日本レコード(当時)が記録された。
一方、マイルCSは、京都の3コーナーに上がり下りの坂(ちょうど中間地点)があるため、安田記念の東京と比べると、前後半のバランスが保たれることが多い。だから、かつては日本で一番順当に1番人気馬が連対するGIなどといわれた。
ただ、最近は安田記念に近いHペースが出現することもある。Hペースで展開すると、直線が平坦の京都は追い込みが決まる。マイル戦で追い込み一手型が台頭するのはレースバランスが崩れているケースが多いから、だいたい波乱になる。最初にマイルCSが大波乱になったトロットサンダー=メイショウテゾロの1995年からしてそうだった。レース上がりが35秒台になるような年は、ほとんどが波乱の決着になっている。
飛ばすシルポートがいる。ただ・・・
柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。