道営ホッカイドウ競馬、開催終了

2012年11月21日(水) 18:00

 本年度の道営ホッカイドウ競馬が去る11月15日(水)で今年度の開催を終了した。

 15開催80日間にわたり門別競馬場にてナイターを実施し、最終的に前年比103.7%の119億9987万円を売り上げた。辛うじて計画比も上回り、100.1%となった。

 今年は7月5日と8月21日の2日計5レースが濃霧のために中止を余儀なくされたが、レース数、出走頭数ともに前年をやや上回った。

パドックの風景

パドックの風景

 80日間で933レース(前年比19レース増)が実施され、延べ出走頭数は9433頭(646頭増)。

 12レースを組んだ開催日が多く、1レース当たりの平均出走頭数も10.11頭を確保できた。

 最終日の15日は、晴れたものの寒い一日で、日が落ちてからは3〜4度まで気温が低下した。しかし、場内はかなりの混雑で、今年最後のレースを生で見ようと集まった入場者は1710人に達した。

 メインの道営記念(2000m)は16頭が顔を揃え、2008年に門別競馬場のトレーディングセールにて1100万円で売却された経歴を持つモエレビクトリー(牡6歳、父ゴールドへイロー、母トチノビクトリー、母父オジジアン)が先行しそのまま逃げ切って勝利を収めた。

 モエレビクトリーは道営で2008年にデビュー。10戦4勝の成績を挙げ、期待されて中央へとトレードされた。年明けに京成杯3着のあと惜敗続きでなかなか勝てなかったが、トレードされてから1年後の2009年12月に500万下を勝ち上がるとすぐに1000万円、1600万円と順調に3連勝しオープン入りしていた。

 中央で4勝し、今年9月より再度道営に転入して10月3日、10月17日の特別を2連勝し道営記念に臨んだ。

道営記念を制したモエレビクトリー

道営記念を制したモエレビクトリー

レース後の口撮り

レース後の口撮り

 鞍上は服部茂史騎手。田中淳司厩舎所属。馬主は西森鶴氏。生産は新ひだか町・中村和夫氏。

なお、服部騎手は道営記念初制覇で、最終日のこの日に、熾烈なリーディング争いを演じていた五十嵐冬樹騎手に2勝差をつけ、113勝で3年連続のリーディングジョッキーに輝いた。また、リーディングトレーナーは100勝にあと1つに迫る好成績を挙げた原孝明調教師が獲得した。

 毎年、北海道は11月中旬になると天候が不順で降雪、凍結の恐れもある。今年は幸い、ギリギリのところで無事に開催を終えることができた。1週間遅ければ雪に見舞われていたかも知れず、騎手や厩務員はもちろんのこと、見ている観客にとっても辛い天候になる。これから北海道は半年間雪に閉ざされ、シーズンオフである。道営開催が終わる頃にはいつも北国のハンディキャップの大きさを感じる。

 ところで、119億9987万円の売り上げの内訳は、次の通り。
?ネット、電話投票→67億5390万800円(前年比111.6%、計画比99.1%)
?道内発売分→30億5040万1300円(前年比82.6%、計画比87.8%)
?他主催者委託発売分→21億9956万9600円(前年比120.1%、計画比129.7%)

 こうして見ると、本場を含め、道内の売り上げの不振がかなり顕著だ。
前年比12.2%減は深刻な数字と言わざるを得ず、そのマイナス分をネットと電話投票、他主催者への委託分でカバーしていることになる。

 今後、来年3月まで北海道では他主催者の開催するレースを受託発売し、その売り上げ分を加算して最終的な決算となるわけだが、営業上は委託や受託になるべく依存せず、自前の施設で馬券を売るのが最も効率的であることは言うまでもない。

 その意味でも、本場を筆頭に道内各地に展開する場外施設での売り上げ回復が今後の大きな課題である。

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田中哲実

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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