2012年12月27日(木) 12:00
時は休みなく流れていく。しかも。時間の速さは誰にも平等で、その中でいかにして中味の濃い生き方をするかが求められているのだから油断できない。その中味をどうつくりあげていくか、一刻の猶予もそこにはないのだ。人生という旅はかくのごとくだから、うかうかと日おくりしてはならないのだが、果たして自分はどうなのか。1年が終わり、新しい1年が始まるこのとき、心構えを整えておきたい。
何かに触れて心が動くことがある。競馬ファンなら、競馬場でそれを体感できる。ゴールドシップの15頭ゴボウ抜きを目前にした者は、きっと異次元にいる思いだったろう。その時の心の動き、それをどうしたらいいのか。自分の中だけでおしまいにする、そうしたって誰からも文句は出ない。しかし、中味の濃い生き方を目指すなら、ここで心を閉じては何もならない。ふと、そう思うのだ。
この心が動いたことを他者に伝える、つまり、心を開くのだ。この自分の思いや考えを他者に伝えることで、自分だけという心から、他者を受け入れ、やがて自分の思いを広げることができる。ぜひ、これは実戦したい。
ゴールドシップのあの戦いぶり、死角や弱点などなく、強いとはあのことを言うのだと思い知らされた。手の内も何もなく、開けっぴろげのあの姿。確かに引き込まれるものがあった。最後方から動き出したとき、一瞬早くゴボウ抜きとアナウンスされてしまった。最近の有馬記念は、オルフェーヴル、少し前のディープインパクトがそうだった。
しかし、こっちは芦毛だからインパクトが強かった。エンジンが掛かってからの持続力をまた見たい。
こうした思いは、自分だけのものとせず、多くの友に語りかけていきたい。見た者なら共感するだろうし、そうでなかったら芽を見開いて聞くだろう。心を開くことが清々しいことだと知るだけでいいのだと思う。
【お知らせ】 2012年度の更新は今回で終了となります。2013年度は1月10日から更新いたします。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。