京成杯

2013年01月13日(日) 18:00

 ラジオNIKKEI杯2歳S(2000m)から間もない時期。かつ、関東エリアの重賞とあって、クラシック路線の中ではあまり重要な位置を占める中山2000mではないケースが多いが、今年はランキングや、勢力図を描くうえで、見逃せない組み合わせである。

 朝日杯FSを1分33秒4のレースタイレコードから、「0秒5〜0秒6差」の4着フラムドグロワール、6着ノウレッジがいる。

 ラジオNIKKEI杯2歳Sを「0秒3〜1秒0」差の4着馬アクションスターと、6着馬ラウンドワールドが出走する。

 さらに、出世レースの1つ「エリカ賞」の勝ち馬マイネルマエストロと、中山2000mの「ホープフルS」を0秒1差2着のマイネルストラーノがいるから、朝日杯FSは快時計の決着になり、一方のラジオNIKKEI杯2歳Sは超スロー[66秒0−59秒4]で、2分05秒4という両極端のきわめてレースレベルの推し測りにくい結果になっているが、そこでちょっと足りなかった4頭の結果で、かなり手がかりが生じるかもしれない。

 また、中山2000mのホープフルSを2分01秒7で小差2着マイネルストラーノがどのあたりに入るかもポイントのひとつだろう。

 例年、新馬勝ちの1戦だけのキャリアでは通用することはめったにないが、わざわざ2戦目に中山に遠征のローテーションを選び、さらにマクドノー騎手(13日に来日初勝利)を配してきたリグヴェーダに期待したい。

 新馬の勝ち時計1800m1分50秒5は平凡。上がり34秒8も数字のうえでは目立つものではないが、秘める可能性は感じさせた。ムリすることなく勝ったレースセンスが光った。

 ムダのない好馬体は、どこといって強調点があるわけではなく、かつコンパクトに映る。スケールは思わせない。馬体重440キロ台。

 ここが父ディープインパクトに似ている。

 いきなり、衝撃のデビューで圧勝したディープインパクトに及ぶはずもなく、ストライドの大きさも異なるが、どこといって目立つところはなく、どこに高い能力が隠されているのだろうという点では、ミニ・ディープインパクトであり、こちらは器用なレースが可能で、なおかつ先行力もありそうである。マクドノー騎手が少し積極的に出るなら、好位追走も可能だろう。もまれるような頭数でもなく、また厳しい流れもありえないから、互角以上の秘める素質さえあれば、ポイントになるレースの好走・善戦組といきなり好勝負して不思議ないと期待した。

 きつい流れを経験しているシルクプリマドンナ産駒のフラムドグロワールと、札幌2歳Sの好内容(負けたとはいえ1分48秒8は文句なし)から、あんなはずではないラウンドワールドの2頭が本線。

 以下、マイネルストラーノ、ノウレッジ、ケイアイチョウサン。リグヴェーダの兄ゴールドアリュール産駒のクロスボウは、デビュー戦の1800m1分54秒5があまりに遅いため人気の圏外だが、直線だけで猛然と追い込んで決めた内容から、一度使っての大きな変わり身も考え、ぜひ、穴馬としたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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