京成杯

2013年01月20日(日) 18:00

 どんなレースでも輸送して競馬場に入厩したあと、レースが中止になると「空輸送」は堪える。レースに備えギリギリに仕上げていた可能性が高いのからだ。

 それが雪の影響で道路が渋滞したり、関西からの長距離輸送の往復であったり、キャリアの浅い3歳馬や、輸送を気にする牝馬だったら、目標のレースが翌週に延期されても、再度出走可能とはならない。

 14日から21日に延期される形になったこのレースは、注目の関西馬「リグヴェータ、ラウンドワールド」の2頭が、再輸送を嫌って再投票しなかった。新たに投票したのが、アポロソニック、ワンダーロード、ワールドレーヴの3頭。そのほかの「9頭」が影響は少ないと判断して、1週後に再投票したが、14日の状態と同じではありえない。休み明けの明らかな太め残りの古馬だったら、中にはかえって体が絞れて気合が入った、そんなケースもありえるが、クラシック路線に乗れるかどうかがかかっている3歳馬のこと、疲れなしは陣営の希望的判断である危険も否定できない。レースの後になって「やっぱり影響はあった気がする」となっても、だれも責められない。

 カギになるレースだからこそ、難しい要素が加わっている。馬券作戦はいつも以上に慎重にいきたい。あまりムキになって参加資金を増やすレースではないだろう。

 関東馬マイネルストラーノ中心。ディープインパクト産駒はあまり連戦向きではないことが多いが、この馬の場合は母方ファミリーがタフ。使いつつ腰の甘さが解消するなど上昇カーブに乗っているときだけに、日程の狂いは最小限の死角にとどまりそうである。17日に南Dコースで「69秒7−54秒3−39秒9−12秒5」。馬なりながら、あまり手控えることなく再度追い切りをかけられた。

 前回のホープフルSは「60秒8−60秒8」=2分01秒6のバランス。無理のない流れゆえ、秘める能力は計りやすい。腰の甘さが解消されつつあることを示すように、すんなり2番手マークの形になって、レースバランスとほぼ同じ2分01秒7。

 中山2000mを2戦している強みは大きく、前回と同じように積極的に出るなら、同じような流れが望め、同様のレースが可能だろう。

 正月の変則日程のあと、またまた連続して日程が日程が不規則のため、追い日がズレている。調子判断が非常に難しいので、相手はあまり大きくランク分することなく、影響が少ないように思える東のフラムドグロワール、ノウレッジ。

 西の2頭はあまり本線にはしたくないが、輸送時間を巧みに短縮させたから再投票に踏み切れた面もあるアクションスターと、タフそうなマイネルマエストロ。6枠2頭の関東馬ケイアイチョウサン、クロスボウを押さえとしたい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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