2013年01月31日(木) 12:00
前回からの続きで一言。物事は、その仂(はたら)きも存在もいろいろな条件が重なってそうなっているのだから、その条件が変われば結果も変わってくるのは当たり前。つまり、あまりこだわっていてはその変化についていけないことになる。これは、生きていくための心のあり様に及ぶ叱咤ととらえていいだろう。
競馬なら、この時期なりの考え方があることを示している。その先にあるタイトルを見据えて戦うものにとり、今あるこの条件でどう戦えばいいのか。そのときの結果をどう受け止めればいいのか。ここでも、こだわりすぎるのはよくないと戒めている。こだわりとは、勝ったことであり、負けたことである。
根岸Sを勝ったメイショウマシュウの追い込みは凄かった。1400mを中心に戦ってきたものに、フェブラリーSでの条件変化をどう考えるか。それ以前に、根岸Sの勝利をどうとらえておくのかの結論を出すことが先だろう。それによって条件の変化による対応の可能性が見えてくる。
いっぽう、ガンジスの2着をどうとらえるか。正攻法を堂々と演じてのハナ差だから、手応えはあった。今度は追われる立場から追う立場、この変化は大きいかもしれない。
シルクロードSの先には高松宮記念があるので、勝ったドリームバレンチノにとり、京都から中京への条件の変化がポイントに。全9勝を松山騎手で挙げている強味は、他にはない。それに、今回背負った58キロを考えれば、本番での条件の変化は有利に働く。さらに59キロで接戦を演じたダッシャーゴーゴーだって、キャリア豊富だし敗戦にこだわらなくていいだろう。
ただ、左回りと直線の坂が中京での課題になるから、この条件の変化が大きい。どうやら、こちらの路線は前哨戦のこだわりは小さくしておくべきか。
絶えず、条件が変わって結果も変わる競馬を経験しているのだから、自分の日々についても、心のあり様を鍛えていきたいものだ。
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長岡一也
ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。