フラワーC

2013年03月15日(金) 18:00

 牝馬クラシックを目ざす路線は、先週の報知杯FRとアネモネSで、新星といっていいメイショウマンボ(父スズカマンボ)、ナンシーシャイン(父ブラックタキシード)、ティズトレメンダス(父Tiz Wonderful)。そして、クラウンロゼ(父ロサード)、ジーニマジック(ダイワメジャー)が桜花賞出走の権利を獲得した。

 チューリップ賞を人気で大敗したレッドオーヴァル、ローブティサージュ。そして報知杯FRをやっぱり人気で凡走したサンブルエミューズ、サウンドリアーナの評価は急落している。さまざまな勢力図もランキングも、修正の連続である。

 今日の「フラワーC1800m」は、関東で行われる1800m重賞だから、どちらかといえばオークスの伏兵が台頭するレースだが、桜花賞まで中2週。日程からはまだ十分に間に合う。実際、最近10年間で「2004年ダンスインザムード、2005年シーザリオ、2006年キストゥへヴン、2010年オウケンサクラ、2011年(阪神)トレンドハンター」。計5頭がこのレースをステップに、桜花賞で3着以内に快走している。

 ダンスインザムード、シーザリオはここを勝って、ともに3戦3勝となり、桜花賞でも1番人気に支持されている。今年はその2頭に匹敵するような無敗の連勝馬はいない代わり、ここを6番人気で勝ってようやく2勝目をあげ、本番の桜花賞も6番人気で勝ってしまったキストゥへヴン型の伏兵はいるかもしれない。なにせ、現時点では、「桜花賞の1番人気はだれ?」。周囲のスタッフに問いかけたら、みんな別の名を挙げたくらいである。

 前回は勝ちあぐねたが、ここで春の開花を告げそうなカラフルブラッサム(父ハーツクライ)が候補の1番手。前回は初の2000m、それもスパートのタイミングの難しいスローの中京コースとあって、一度は先頭に立ちながらサンがヴィーノの2着に負けたが、ナリタパイレーツ(直後にすみれSを快勝し、きょう阪神の若葉Sに出走)などの男馬相手だったから、相手が悪かったともいえる。

 今度は牝馬同士。GIの阪神JFで0秒3差の5着。上がり3ハロン35秒5はメンバー中NO.1だったから、ここなら能力上位だろう。高速の芝ではなく、少しパワーも求められる現在の中山も最適と思える。

 着差は少なかったが、中山コースで一変したエバーブロッサム(父ディープインパクト)と、2月の新馬戦快勝のサクラプレジールが強敵。とくにサクラプレジールは、最初は連続して100頭を超える交配数をこなしていたのに、産駒が思いのほか不振だったため、昨年はわずか10にまで交配数を減らしていた種牡馬サクラプレジデント産駒。

 知られるように今春は、3歳戦も古馬の路線でも、ちょっと人気種牡馬の陰に隠れてしまった評価の難しい種牡馬の産駒が大活躍している。サクラプレジデントもその代表格だったが、高松宮記念の伏兵となるサクラゴスペル(3連勝中)を送って評価を取り戻しつつある。ここでサクラプレジールの続けての快打が欲しい。

 人気の薄いところでは、小柄でもパンチのあるリラコサージュ、内田博幸騎手を配してきた絶好調=国枝厩舎のレッドマニッシュに魅力がある。

 中京の「ファルコンS」は、波乱必至の組み合わせ。デキの戻ったオレハマッテルゼ産駒の伏兵ダイナミックガイから手広く流したい。

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柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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