2013年03月25日(月) 18:00
断然の人気に支持されたチャンピオンスプリンター、5歳ロードカナロア(父キングカメハメハ)が、着差以上の圧倒的なパワーを爆発させて快勝した。スプリンターズS、香港スプリントにつづき、GI・3勝目を記録し、これで通算15戦【10-4-1-0】となった。陣営によると「ここが春の目標だったから、このあとのローテーションは白紙」というから、秋のスプリンターズS→香港スプリントまで休む可能性もある。
1200mのGIを3勝のチャンピオンになってしまうと、たしかに国内ではもう出走したいレースが少ないのがスプリント路線である。オーストラリアの牝馬ブラックキャビア(22勝目だけは英のダイヤモンドジュビリーSに挑戦)のケースとは、牡馬ロードカナロアの置かれている立場はちょっと異なる。海外のGIに挑戦して勝ち負けしたところで、のちに種牡馬入りしたときに必ずしも評価が高まるとは限らないのが、スプリンターのかかえるつらい宿命である。まして接戦に持ち込んでも、負けてしまうと大きく評価は下がる。ここがマイル〜中距離〜長距離路線とは違うところで、アグネスワールドがそうだった。他国でもこういう評価に大差はない。
・新装の昨12年が、1分10秒3(レースの前後半 34秒5-35秒8) ・レコードタイムは、1分08秒7(レースの前後半 33秒7-35秒0) ・今年2013年は、1分08秒1(レースの前後半 34秒3-33秒8)
同じ1200mでも、前半が下り坂でほぼ真っ直ぐな中山コースと異なり、新中京コースは最初のコーナーまでそうピッチは上がらず、最後の直線がこれまでより長く、かつ坂が生まれたコース形態からして、あまり極端な前傾ラップにはならないことが予測された。実際、1分08秒1のレコードが記録された今年の高松宮記念は、これまでの日本のスプリントGIとしてはありえなかった「後半3ハロンの方が明らかに速い」形である。
おそらく新しくなった中京では・・・
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。