ニュージーランドT

2013年04月05日(金) 18:00

 外国産馬があふれていた当時と異なり、桜花賞や皐月賞からNHKマイルCに出走する馬が多くなっている。また、クラシック路線の早い段階からマイル路線に方向を転換する馬も増えたため、外国産馬はいなくてもこのマイル路線のレベルは高い。NHKマイルCのトライアルではあるが、ここで3着以内に入ってやっと出走権獲得。そういうグループは出走できても本番のNHKマイルCになると厚いカベにあたっている。

 もちろん、トライアルだから、ここで「なんとか出走権確保がテーマ」の新星を狙ったほうがいい年もあれば、すでに予想される獲得賞金などクリアしているトップグループの力量が明らかに上の年もある。今年は後者に近いと思える。

 皐月賞では、朝日杯FSの勝ち馬ロゴタイプ、2着のコディーノが有力馬として人気を集めるように、この世代の朝日杯FS上位グループのレベルは高い。ロゴタイプと同じローエングリン(その父Singspiel)産駒のゴットフリートから入りたい。朝日杯FSをレコードから0秒4差の3着したあと、東京1800mの共同通信杯の2着が1分46秒2。

 従来のレースレコードが1分47秒3だったから、負けたとはいえ高い総合スピード能力を存分に示している。上がり33秒8でまとめたほどだから、高速レース向きはたしかで予想される雨は問題だが、スピード能力減があるのは他の有力馬も同じ。

 3代母Russian Ballet(父ニジンスキー)は、種牡馬トライマイベスト、エルグランセニョールの4分の3妹。このファミリー出身なら、重馬場がひどく下手という危険は少ないと思える。雨量が多ければ内も外も大差なし。1600mの内枠の利を生かしたい。

 朝日杯FSではかかり気味になって自身の前半1000m通過57秒5のオーバーペースになって8着に失速したエーシントップ(父Tale of the Cat)は、まだ単調には違いないが、シンザン記念では「46秒6−47秒7」のバランスで1分34秒3。さしてかかってはいなかった。重賞2勝の底力を評価したい。かかる馬は総じて重馬場歓迎である。

 3番手がデキの良さでレッドアリオン。妙味はスプリングSを小差3着だから皐月賞出走もOKのはずが、あえてこちらに回ってきたマイネルホウオウ。以下、ガチバトル、桜花賞路線だったサクラディソール、マンボネフューが連勝馬券の押さえ。

バックナンバーを見る

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

柏木集保

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

新着コラム

コラムを探す