2013年05月01日(水) 18:00
先週の24日(水)、日高町の門別競馬場で今年度の道営ホッカイドウ競馬が開幕した。
東寄りの風がやや強く、途中から雨に祟られるあいにくの空模様だったが、各地よりこの日を待ちかねたファンが競馬場に集まった。
開幕当日はあいにくの空模様
これに先立ち、第6レースには、メインを上回る1着賞金300万円の「2013年開幕記念JRA認定スーパーフレッシュチャレンジ競走」(1200m)が8頭によって争われた。
当初9頭がエントリーしていたが、アクティブウイークが出走を取り消し、全国で最も早い2歳戦としてはややさびしい頭数となった。
このレースを制したのは桑村真明騎手騎乗のアイアンガール。ダッシュ良く飛び出し、そのまま先行して3馬身差でゴールした。父ワイルドラッシュ、母ハリケンアスリート(その父フサイチコンコルド)という血統の牝馬で、角川秀樹厩舎所属、馬主は小川洋氏。日高町・加藤牧場の生産馬。
この頃から雨が本格的に降り出し、馬場も良から稍重になった。
メインの北斗盃は最終10レースに組まれ、こちらは13頭が出走予定だったが、直前になりクラグオーが取り消したため、12頭立て。
因みにクラグオーは、道営ファンにとっては愛着のある血統で、母クラシャトルは北海優駿を含む7勝を挙げた道営の女傑である。この母に、同じく倉見牧場で生まれたクラキングオー(北海優駿、道営記念など12勝)を交配して生まれたのが兄のクラキンコであり、このクラグオーである。つまり道営ホッカイドウ競馬の活躍馬同士の組み合わせでできた産駒で、これぞ究極の配合馬だ。ファンに支持されていた人気馬だけに、今回の取り消しは何とも残念だが、感冒に罹患した程度らしいので回復すれば近々姿を見せてくれそうだ。
さて北斗盃。雨が横殴りに降る中のレースとなり、観客はほとんどスタンドからの観戦で、埒沿いには人の影がないほどであった。
北斗盃を制したシーギリヤガール
勝ったシーギリヤガールは父スターリングローズ、母スパイシーキティ(その父タバスコキャット)という血統の3歳栗毛。馬主、生産はいずれも(有)新生ファーム。桑村真明騎手、斉藤正弘厩舎所属。
昨年6月、門別でデビュー勝ちしたシーギリヤガールは2戦目の「栄冠賞」にも勝ち、7月14日には「函館2歳ステークス」に遠征し9着。ところがその後札幌の「すずらん賞」(9月2日)では8番人気ながら見事に1着となり、芝適性の高いところを見せた。
10月25日「エーデルワイス賞」(門別)に出走した後は中山、浦和と転戦し、前走は「桜花賞」(3月21日、浦和、6着)であった。
今回、開幕に合わせて道営に復帰したわけだが、見事に三冠緒戦を獲得し、今後はどのような路線に進むのか興味深い。
北斗盃の口取り風景
気象条件の厳しさゆえか、出走馬もやや少なめで、開幕2日目の翌25日は5頭立てのレースが2つあった。また、2歳戦は組まれていなかった。
この時期、門別にはかなりの数の2歳馬がすでに入厩しているはずだが、臨戦態勢にある馬はまだまだ少ない。かといって古馬の層も薄く、暖かくなる頃まではしばらく出走頭数確保に悩まされることになろう。
今週は今日1日と明後日3日(金)の変則開催になっており、3日には「コスモバルク記念」が行われる。連休後半の初日、何とか天候に恵まれて欲しいところだ。
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
田中哲実「生産地だより」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。