5億円キャリーオーバー後のWIN5、高配当のチャンスを掴むには

2013年05月11日(土) 20:00

 先週5月5日のWIN5は史上2度目の的中なし。払戻金の原資である5億3613万0284円がそのままキャリーオーバーとなりました。改めて説明するまでもないと思いますが、明日5月12日のWIN5は普段よりも期待値が高い異例の馬券となります。

 JRAの払戻計算式に従って試算したところ、発売金額が20億4629万8900円で、なおかつキャリーオーバーとならないだけの的中票(この場合は11票以上)があった場合、払戻金の総額が発売金額をギリギリで超える計算。細かい前提を省いて簡潔に言うと「発売金額が20億4629万8900円までなら期待値は100%を超える」ということです。なお、同様の前提で計算した場合、発売金額が10億円だった場合の期待値は約127.4%(以上)、15億円なら約109.5%(以上)、20億円なら約100.6%(以上)。仮に発売金額が過去最高額と並ぶ28億3275万0300円だったとしても、期待値は約92.7%(以上)となります。通常のWIN5は期待値が約73.8%ということを考えると、明日のWIN5がどれだけプレイヤー側に有利な賭けであるかお分かりいただけるでしょう。

 なお、明日のWIN5対象レースは総出走頭数が歴代6位タイの81頭、総組み合わせ数も歴代6位タイの110万5920通り(前日16時現在)です。当コラムで再三指摘しているように、総組み合わせ数が多ければ多いほど高額配当決着の可能性は高まるもの。実際、これまでに総組み合わせ数が100万通りを超えた9回は、いずれも100万円を超える配当で決着しています。しかも、明日はキャリーオーバーに惹かれて普段はWIN5を買わない層が参戦してくるはず。おそらくですが、そうしたファンが投じる票の大部分は上位人気馬同士の組番に流れ、人気薄を含む組番の配当に妙味が出てくるでしょう。結果がどちらに転ぶかはともかく、「堅く収まったら仕方ない」くらいの気持ちで高額配当を狙う方がいいかもしれません。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→京都11R 栗東S
 過去5年の栗東Sのうち、ダート1200mで行われたのは2年。どちらの年も坂路調教馬が優勝。6年前もダート1200mでしたが、このレースを勝ったのも坂路調教馬。1着は坂路調教馬で間違いないレース。

 スリーボストンは京都ダート1200mを7戦して4勝。残り3走も3着以内と、明らかな京都巧者。仮に雨が残る馬場になれば、より勝率は高くなるだけに、ここは1頭で大丈夫。

推奨馬:10.スリーボストン

■今週の多点買いレース
→京都10R 葵S
 京都芝1200mで行われた葵Sは2010年からの3年。1着馬はすべて坂路調教馬でした。調教本数が標準以上、強さも標準という条件が付くので、該当する馬は限られます。

 前走は京都芝外回りでリズムを崩したジンセイハオマツリですが、今回は走り慣れた内回り。状態は絶好調なだけに巻き返し必至。あとはプレイズエターナル、ティーハーフまで。

推奨馬:15.ジンセイハオマツリ、11.プレイズエターナル、3.ティーハーフ

【古澤秀和のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→東京11R ヴィクトリアマイル
 ここはハナズゴール1頭で。前走は距離とコースが敗因。内回りの1400mでは持ち味が生かせなかった。今回はマイルに距離が延びて、更に直線の長い東京コース。雨が心配されるが、日曜日は晴れて気温も高くなりそうだし、内から乾く東京コースで4番枠も好条件。このメンバーでも末脚は上位で、一気に突き抜けると見る。

推奨馬:4.ハナズゴール

■今週の多点買いレース
→東京10R 立夏S
 ナリタスーパーワンは休み明けになるが、ウォーエンブレム産駒で脚抜きの良い馬場が合っているし、ここはピッタリの馬場状態で走れそう。能力はここでも通用するし、この枠なら道中のロスもない。勝ち負けに持ち込める。
エチゴイチエはダートの短いところでの差しが板についてきた。ネオユニヴァース産駒で手先が軽いので、軽いダートは合っているし、東京コースもピッタリの条件。鞍上も連続騎乗でうまく末脚を引き出してくれそうだ。

 タイセイファントムも脚抜きの良いダートが合うタイプ。東京コースの1400mもベスト条件だし、強力な鞍上を迎えたここは当然勝ち負け。

推奨馬:1.ナリタスーパーワン、4.エチゴイチエ、6.タイセイファントム

【伊吹雅也のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→新潟11R 赤倉特別
 昨年の1回新潟芝2200m以上は、4歳以上のレースに限ると、前走がJRAの平地競走、かつ前走の4コーナーを4番手以下で通過した馬が[1-2-3-30]。基本的に先行有利なコースです。注目は丸山元気騎手とアドマイヤネアルコのコンビ。前走が好内容でしたし、今回は相手関係にも恵まれた印象で、素直に信頼できると思います。

推奨馬:4.アドマイヤネアルコ

■今週の多点買いレース
→京都10R 葵ステークス
 京都芝1200mで開催されるようになった2010年以降は牝馬が[2-3-1-13]と堅実。一方、前走で2着以下に敗れていた牡馬は[0-0-1-17]と連対例がありません。なお、本日開催された2013年3回京都8日目の芝内回りは5枠から8枠の馬が[1-0-0-25]。内めの枠に入った馬を重視すべきでしょう。狙ってみたいのは牝馬のヴァンフレーシュ、シーブリーズライフ、実績上位のティーハーフ、前走で500万下を勝ち上がったピンゾロ。

推奨馬:2.ヴァンフレーシュ、3.ティーハーフ、6.シーブリーズライフ、7.ピンゾロ

【石橋武のWIN5見解】
■今週の「単勝二頭流」レース
→新潟11R 赤倉特別
 シャドウバンガードは、4走前、3走前に左回りの芝2200m戦で2着、1着。特に3走前に昇級緒戦ながら勝ち負けできたのは収穫だ。前走は連闘の影響もあって、デビュー以来最低の430キロにまで馬体を減らしてしまったが、間隔をあけて調整してきた点は好感が持てる。デビューから5戦を新潟芝コースで走り4回は馬券に絡んでいる。今回と同じ新潟芝2200mでの2着の実績からも、順当ならこの馬だろう。

 ブライトボーイが馬券に絡んだ4回はすべて平坦、かつ内回りか、小回りコース。新潟芝コースでも芝2000m内で2着、内回りコースを使用する芝2400mで1着と結果を出しており、ここは得意コースのひとつと言えそうだ。1000万クラスに昇級後は掲示板が精一杯という競馬が続いていたが、前走、小回りの福島芝2600mで好走。クラス慣れしてきたところで、得意の小回り平坦コース出走は買い。前走に引き続き好勝負が見込める。

推奨馬:3.シャドウバンガード(人気馬)、9.ブライトボーイ(穴馬)

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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