命運が分かれた安田記念

2013年06月07日(金) 12:00 19

 東京競馬5週連続G1が終わりましたね。そしてラストとなった安田記念は、高松宮記念からの2ヶ月振りとなったロードカナロアが制覇。

 新聞紙面等の印では、マイルへの不安もあってか?どの新聞を見てもあまり重い印ではなかったように見受けられましたが、蓋を開けてみれば1番人気に。毎回思うのですが、やはり競馬ファンの方々の目は凄いですね。お見事でした。また見事と言えばロードカナロアの賢さ。前走が1200m戦、しかも珍しくスタートが遅かったこともあり岩田騎手が意識的にプッシュをした後のマイル戦において、スタート後にムキになって掛かるようなこともなく鞍上の指示に対して柔軟な対応ができるあたりが素晴しい。

 しかしながらよくよく考えてみれば、デビュー当初は1200mでもムキになってしまうところがあったロードカナロア。それゆえここまでの道のりの中で1つでもボタンの掛け違いをしてしまえば、それこそスプリントのみの馬となっていた可能性も十分に考えられるだけに、本来備わっている馬の賢さもさることながら岩田騎手そして日々馬を作っている陣営の手腕も感じての勝利でした。

 さてその一方で、今後がかなり心配となってしまったのがカレンブラックヒル。中間のオトナシスギル雰囲気に不安を感じていましたが、レース当日もなんとなくハキを感じさせない目と歩き。もともとかん性の強さを持っていただけに、そのあたりがモロに表面化されないように作ってきたタイプ。初ダートで惨敗をしてしまったフェブラリーSの1戦で野生的な本能が失われてしまったのでしょうか…?

 だけどもしそうだとするならば、フェブラリー後の前走で見せ場ある走りをしていなかった気も…。こればかりはカレンブラックヒルのみが知る胸の内。やはり馬というのは、メンタル的な面が非常に大きなウエイトをしめるものなのかもしれませんね。
今後この結果を陣営がどのように受けとめ調整をされていくのか?その点を教えてもらいながら、祈ることしかできませんがカレンブラックヒルらしさが戻ってほしいなぁと願うばかりです。

 さぁそして今週はマーメイドSとエプソムC。現時点での注目は、エプソムCがサンレイレーザー。ただし雨で馬場が渋れば、変更します。マーメイドSは、エーシンメンフィス、ピクシープリンセス、そしてアロマティコに。

 それでは皆さん、週末は東京競馬場もしくはフジテレビ「みんなのKEIBA」でお逢いしましょう。ホソジュンでしたぁ。

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細江純子

愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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