2013年07月24日(水) 18:00
7月も半ばを過ぎて北海道は今、観光シーズンたけなわだ。レンタカーはもちろんのこと、最近はキャンピングカーで道内を旅行する熟年夫婦もずいぶん増えた。灼熱地獄に喘ぐ(と言ったら失礼か)本州以南の方々にとって、この時期の北海道の気候は天国であろう。
ノースクイーンカップ当日の門別競馬場
昨夜のメインは「サンケイスポーツ杯、第12回ノースクイーンカップ」(H2、距離1800m、1着賞金300万円)。道営古牝馬の一線級9頭がエントリーしてきた。
副賞にキングズベスト(ダーレー・ジャパンスタリオンコンプレックス繋養)の配合権利が優勝馬の馬主に贈られる豪華版である。
人気の中心は目下このレースを三連覇しているショウリダバンザイ。前走の星雲賞はスーパーパワーに屈して4着に敗退したが、今回は牝馬限定戦とあって1番人気に支持された。
これに続くのが道営ファンお馴染みのクラキンコ。前走の星雲賞では勝ったスーパーパワーに頭差まで迫る2着を確保し、復調を印象づけた。以下、エンジェルツイート、シャイニングサヤカなどにも印がついた。
この日の最終11レースがノースクイーンカップである。
午後8時40分。定刻通りにスタンド右前方のゲートから9頭が一斉に飛び出した。まずシャイニングサヤカがレースを引っ張り、クラキンコがそれに続く。本命のショウリダバンザイは4番手あたりを進む。かなり縦長の展開となった。
シャイニングサヤカがリードしたまま4コーナーに差しかかるが、その外側をクラキンコが交わして行き、さらにその外をショウリダバンザイがまくり気味に回ってくる。エンジェルツイートはやや手ごたえがなくなっている。
判定の結果、1着はクラキンコ
鞍上の宮崎騎手もレース後は勝ったかどうか半信半疑
どれが勝ったか分からないほどの僅差の勝負で、引き上げてきたクラキンコ騎乗の宮崎光行騎手も半信半疑といった体の表情だ。
しかし、判定の結果、1着はクラキンコであった。頭差の2着がショウリダバンザイ。ハナ差の3着がシャイニングサヤカ。4着にはエンジェルツイートが入ったものの、着差は5馬身あった。
優勝したクラキンコは、改めて紹介するまでもないほど道営では有名な存在だ。父クラキングオー、母クラシャトルの間に生まれた牝6歳。3歳時には牝馬初となる道営三冠馬に輝いた。父クラキングオー、母クラシャトルともに道営で活躍した名馬で、いわば「黄金の配合」によって誕生したのがクラキンコだ。これで32戦12勝。うち重賞は8勝目である。獲得賞金は3384万円。馬主は倉見利弘氏。生産は日高町・倉見牧場。
また堂山勝則調教師、宮崎光行騎手ともにこのレース初制覇となった。
クラキンコの口取り写真
なお、この日の門別は、769人が入場し、1億8268万9900円の売り上げであった。全レース即PAT発売になっていながらも、昨年同日の数字と比較すると、入場人員では微増(+84人)だが、売り上げは逆に400万円弱の減少である。メインレースに限れば、昨年5921万円余だったのが今年は5380万円。昨年と比較すると、より発売体制が完備されているにもかかわらず、やや物足りない数字に感じる。
因みに2011年度の同レースは、14頭立てで行われ、7127万円を売り上げていた。昨年が11頭立て、今年が9頭立て。してみると、出走頭数が売り上げを左右するのかも知れない。
バックナンバーを見る
このコラムをお気に入り登録する
お気に入り登録済み
お気に入りコラム登録完了
田中哲実「生産地だより」をお気に入り登録しました。
戻る
※コラム公開をいち早くお知らせします。※マイページ、メール、プッシュに対応。
田中哲実
岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。