2013年07月27日(土) 12:00
今週は、騎手のデータに関しての一考察。ふと思い立って、リーディング上位の騎手が6番人気以下の馬に乗ったときの成績を調べてみました。
馬券を買うとき、「リーディング上位騎手が乗っているんだから」という理由で人気薄の馬を押さえることって、ありませんか?そうすることが果たして賢明なのか、それとも無駄なのか。どの騎手なら押さえておくべきで、どの騎手は消しちゃったほうがいいのか。そのへんのところがデータから明らかにできないものかと考えたんです。
ではまず、地方競馬から。北海道、岩手、南関東、名古屋、笠松、金沢、兵庫、高知、佐賀、ばんえいの各地区で2013年の勝利数が上位5位以内(今月25日現在)の騎手を対象にしました。
「6番人気以下の馬に乗っていたとしてもマークしておいたほうがいい」という騎手は、ズバリ、兵庫の木村健騎手と岩手の小林俊彦騎手。2人のデータは以下のとおりです。
勝利数(勝率):木村7(.085)/小林4(.065) 2着回数(連対率):8(.183)/小林8(.194) 3着回数(3着以内率):木村7(.268)/小林4(.258) 騎乗回数(全騎乗数に占める割合):木村82(11.9%)/小林62(20.8%)
もともと数多くの人気馬に乗って安定した成績を挙げている2人ですが、6番人気以下の馬に乗っても4回に1回の割合で3着以内を確保しています。こういう騎手が乗る馬は、人気薄でも要注意でしょう。
また、ばんえいの若手の中にも、6番人気以下の馬をたびたび3着以内に持ってきている騎手がいます。ベスト3は菊池一樹騎手(3着以内率.262)、島津新騎手(同.250)、赤塚健仁騎手(同.246)。彼らは、木村騎手や小林騎手とは逆に、上位人気馬に乗ることが少ないジョッキーです。この3人が乗る穴馬が3連複、3連単に絡めば高配当は必至。若手騎手だからといって侮ってはいけません。むじろお買い得ジョッキーと考えて押さえておいたほうがよさそうです。
さてJRA。先週21日までのリーディング上位10傑を対象に調べたところ、6番人気以下の馬での健闘が目立つのは川田騎手(勝率.063、3着以内率.189)、福永騎手、内田博騎手、武豊騎手の3着以内率も、それぞれ.176、.157、.151とまずまずの高率でした。
一方、横山典騎手の3着以内率は.091!浜中騎手、岩田騎手、北村宏騎手、蛯名騎手も.111〜.120という低い率にとどまっています。このジョッキーたちが1〜5番人気になりそうな馬に乗っていなかったら、馬券の対象から外しちゃっていいかもしれません。「もし来ちゃったらどうする」って?それはもう、「10回に1回のこと」とあきらめて、気持ちを入れ替るしかないでしょうね!
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矢野吉彦
テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。