2013年08月08日(木) 18:00 64
暑いですね。それでいて突然豪雨が襲う…。
この現象は、栗東も同じく。とても厳し暑さが続いています。いま現在、栗東トレセンは午前5時に調教場の門が開いていており、馬たちは午前4時前後からウォーミングアップをはじめています。その時間帯はさほど暑さを感じませんが...それから2時間ほど経った午前7時頃になると本当に暑いです!厳しい陽射しが馬たちにも容赦なく降り注いでいます。しかも、寝藁を干しても突然の雷雨で水浸し…。天気予報が参考にならないのは、栗東も例外ではないですね。
額にふたつのツノを持っているシゲルスダチ
そんな荒れた気候の中、キズナやロードカナロアが淡々と調教を重ねていました。いずれも気持ちのオンオフの切り替えが上手い馬たちですが、淡々とした様子で過ごしている様子を見て「さすがだな」と思いました。慌てず、騒がずというか…。彼らだって暑いはずですが、本当に淡々としているのですよ。少々のことでは平静を崩さない、というのも大切なことだな、と思いました。さて。当コーナーで何度となくご紹介しているシゲルスダチですが。彼はあまり暑さにへこたれるタイプではないようですね。むしろ夏が好き!と言わんばかりに元気よく過ごしています。
元気の秘訣のひとつは、カイバ食いのよさでしょう。毎日、本当によくカイバを食べています。「最近はカイバを食べた分、少しづつだけど身になっているかんじ」(塩満助手)で、次走はまたプラス体重が期待できるほどの勢い。帰厩直後はカイバを完食するものの、そのスピ―ドは決して早くはなかったのですが。最近はまさに"ペロリ"と平らげてしまうそうですよ。確かに、この調子なら夏バテに無縁ですね(笑)。
“食べた分、身になる”という意味では…、最近、前身の筋肉がさらにボリュームアップしているように感じます。その中でも特徴的なのは顔!おでこの筋肉が左右に我ながら盛り上がっているんですよー!!!スダチはもともと額のふたつのツノを持っています。そこへいきて、さらにオデコが競走馬の標本のように盛り上がっている…!!
シゲルスダチの新しいお隣さん、リノリオ
あらためて西園厩舎をはじめ、他の厩舎の馬たちの顔を見て回りましたが、そこまで顔の筋肉が盛り上がっている馬はいませんでした…。スダチはツノが生えていることでも珍しいなのに、さらに“デコ筋”があまり例を見ないほど発達しています。「スダチはどんどん珍しい馬になっていくね(笑)」と塩満助手。ホントにそのとおり。我々の想定の範囲を超えた成長を遂げるので、ホントスダチからは目が離せませんね。
さて。そんなスダチの隣の隣の馬房に新顔がやって参りました。かつてイコピコがいた馬房にやってきた彼の名は「`olino」。リノリオと読み、ハワイ語で「輝く」「輝く」「まぶしい」という意味だそうです。血統的にはイコピコの半弟にあたります。彼の父はダンスインザダーク。イコピコは名前どおり可愛い馬だったので、「どれだけ可愛いのだろう!?」と期待して顔を見に行ったところ…。
リノリオがどう変わっていくか楽しみです
期待どおりでした!可愛い!!まだ表情は幼かったですが、顔のつくりはお兄さんによく似ていました。「顔以外はあまり似ているようには思えませんが…。これから調教を重ねていくうちに兄と似ているところがみられるかもしれませんね」と桜井助手。
トレセンは時間に追われるせわしないところですが、リノリオは急かされてもなかなか起きようとしないなど、ひじょうにのんびりとしていました。これからゲート試験を受けたり、調教が厳しくなったりしていきます。いまこそのんびりしているリノリオですが、これからどんなふうに変わっていくのか。こちらも目が離せませんね。
花岡貴子
デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)