2013年08月12日(月) 18:00
新潟の夏開催は昨年までと異なる。昨年まで「夏の8週間」の4〜5週目に行われていたこの関屋記念は、日付はほぼ同じでも、今年から短縮開催「6週間」の3週目になった。
近年の新潟は競うように速い勝ちタイムが続出する芝で、昨年のこのレースは1分31秒5のレコード決着だった。しかし、さまざまな方面からの評判は決して良くなかった。今年の芝コンディションの整え方はどうやらこれまでとは大きく方向を変えている。
開催が始まった最初は、例によって夏の素晴らしい芝に映るから、「おやおや、いつもの年ほど高速の芝でもないのか」と思わせる程度だった。でも、まだ開催3週目のAコースは、もうインを死守した馬が失速せずに二の足を使って勝ち負けする芝ではなくなっている。異常な高速タイムで決着するレースはひとつもない。と同時に、早くも外を回った差しタイプも互角以上のレースができるように変わっている。昨年までのような、速すぎるかもしれないと懸念される地盤の硬い芝コースではないのである。
昨年ドナウブルーの制したこの重賞は、前後半のバランス「47秒0-44秒5」。前半1000m通過58秒7のスローで展開したのに、後半44秒5-32秒8-11秒3の高速ラップがカバーした結果、1分31秒5のレコード決着だった
今年の前後半バランスは「46秒2-46秒3」。前半1000m通過57秒9なので、ふつうはもっとも速い勝ち時計が生まれそうなペースだが、後半は46秒3-34秒6-12秒0。昨年よりちょうど1秒0も遅い1分32秒5の決着となった。
メンバーは、ドナウブルー以下ほとんど同じようなレベルだったと思える。仮に昨年と同じような高速の芝だったとするなら、オープンのマイル戦の決まり方からして、今年のあまり緩くはないペースならどういう角度から推理しても・・・
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柏木集保
1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。