1レース目の断然人気馬が配当に及ぼす影響は相当に大きい!

2013年08月17日(土) 20:00

 先週8月11日のWIN5は10万6870円と堅めの配当で決着。単勝支持率通りに票数が減っていったと仮定した場合の配当理論値は約15万円でしたから、単勝オッズから配当を推測していた方にとっては物足りない金額だったかもしれません。低配当決着の“主犯”と言えそうなのは1レース目のシンガポールターフクラブ賞を制したラストインパクト。単勝1.4倍(単勝支持率約60.1%)の断然人気に推されていましたし、残り票数は714万2027票が467万9191票になっただけでしたから、WIN5では単勝を上回る約65.5%の支持を集めていたことになります。

 先週のように1レース目から断然人気馬がいる回って、買い目の作り方にちょっと迷いますよね。通常の回であれば、「長くWIN5を楽しみたい」と考えて1レース目は手広く抑える方が多いでしょう。しかし、1レース目を1頭に絞った場合、たとえハズれても「単勝を買ってハズしたんだ」と思えば案外すんなりと諦めがつくもの。「それならいっそ断然人気馬を素直に信頼してみよう」という結論に至るのも自然な流れです。

 実際、こういう回はプレイヤーの投票動向にどんな影響を及ぼすのでしょうか? 過去の結果を分析してみたところ、まず単勝オッズ1.8倍以下の馬が1〜5レース目のどこかで勝った回はこれまでに35回あり、このうち実際の配当が理論値を上回ったのは約半分の18回でした。断然人気馬に勝たれると配当の金額自体は低くなりますが、妙味ある配当になる可能性が減るわけではありません。しかし、1レース目を単勝オッズ1.8倍以下の馬が勝った回は過去に10回あって、このうち実際の配当が理論値を上回ったのはわずか1回。2〜5レース目で断然人気馬が勝った回に比べると、1レース目を断然人気馬が勝った回は妙味ある配当になりにくいのです。

 なお、1レース目で単勝オッズ1.8倍以下の馬が敗れた回は過去に8回あり、うち6回は理論値を上回る決着。1レース目の断然人気馬が飛ぶと妙味ある配当になりやすい、とも言えます。こうした傾向があるということは、1レース目に断然人気馬がいる場合、「素直に信頼しておこう」と考えるプレイヤーの方が多いのでしょう。実際に勝つかどうかはともかく、1レース目の断然人気馬が配当に及ぼす影響は相当に大きい模様なので、今後も該当する回があったら参考にしてみてください。(伊吹雅也)

【井内利彰のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→新潟11R NST賞
 トシキャンディにエーシンジェイワン、コウエイフラッシュとラフアウェイ。明らかにハイペース必至のオープン特別ですから、狙いたいのは後方からの差し馬。それがコンフォーコ。5走前の美浦在籍時に後方から差し切りを決めていますが、この時が最終追い切り坂路の終い最速ラップ。前走時も終い最速ラップでしたが、芝と長期休養明けで度外視。今回は坂路での調教本数も多く、直線外から伸びてくるはず。

推奨馬:コンフォーコ

■今週の多点買いレース
→小倉10R 西部スポニチ賞
 頭数が少ないとはいえ、1頭に絞るのは難しいレース。4歳の降級馬はいますが、ここで狙うのは、厩舎の勝負調教に該当した3歳馬3頭。展開利があれば、鮫島一歩厩舎の勝負調教に該当したマコトブリジャール、休養明け叩いてひと叩きの上昇は石坂正厩舎の勝負調教に該当したアルバタックス、そして末脚鋭い、村山明厩舎の勝負調教に該当したジャイアントリープ。

推奨馬:マコトブリジャール、アルバタックス、ジャイアントリープ

【古澤秀和のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→新潟10R 豊栄特別
 ここは混戦模様だがあえて1点勝負で。ポップジェムズは持っている能力が高い馬だし、時計は速くてもある程度のパワーが要求される今の新潟の芝はこの馬にとってピッタリの印象。メンバーもそれほど強くないし、ハンデも53キロなら問題ない。ここは勝ち切れると見たい。

推奨馬:1.ポップジェムズ

■今週の多点買いレース
→札幌11R 札幌記念
 レインボーダリアは道悪でスタミナ比べになったエリザベス女王杯を勝っているし、函館コースとの相性も良い。デキの方も使いながら確実に良くなってきているし、前走の内容を見てもそろそろ走り頃。馬体写真でも良くなっているし、ここは一発を狙いたい。

 エアソミュールの前走は揉まれて力を出し切れなかったが、本来はここでも通用する力を持った馬。外枠を引いてスムーズに運べるようならチャンスはある。

 トウケイヘイローはツナギがかなり深いので、その辺り道悪が心配材料。スタミナを問われる馬場よりも時計が速い軽い芝の方が合うし、ここは息切れが心配なところもある。ただ、馬場自体は逃げ有利なので、当然押さえは必要。

 ロゴタイプは休み明けでも仕上がっていそうだが、こちらもツナギが深いので馬場が微妙。休み明けでタフな馬場というのも歓迎材料ではないだろう。

 トーセンジョーダンも休み明けになるが、こちらは道悪でパワーの要る馬場をこなせるし、休み明けでもスッキリと仕上がっている。力はあるので侮れない。

推奨馬:12.レインボーダリア、15.エアソミュール、14.トウケイヘイロー、11.ロゴタイプ、5.トーセンジョーダン

【伊吹雅也のWIN5見解】
■今週の1点勝負レース
→函館11R 札幌記念
 2003年以降の優勝馬10頭は、いずれもJRA重賞で優勝経験があり、なおかつ同年にJRA重賞か地方のダートグレード競走で3着以内となった経験がある馬でした。また、前走が函館記念だった馬は2006年以降[1-1-3-31]と苦戦しており、このうちその前走で5着以内に好走していた馬は[0-1-3-15]と優勝例がありません。注目は村田一誠騎手とロゴタイプのコンビ。騎乗経験も好走経験もあるジョッキーなので乗り替わりは問題ないと思いますし、距離短縮もプラスだと思います。

推奨馬:11.ロゴタイプ

■今週の多点買いレース
→新潟11R NST賞
 今年の2回新潟ダート1200m(8月17日終了時点)は、3歳以上のレースに限ると、4コーナーを6番手以下で通過した馬が[1-1-3-57]。また、前走がJRAの平地競走、かつ前走の4コーナーを4番手以下で通過した馬も[2-3-6-57]といまひとつなので、先行力のない馬は評価を下げるべきでしょう。狙ってみたいのは距離短縮がプラスに働きそうなラフアウェイ、トシキャンディ、新潟ダート1200mで優勝経験があるアドバンスウェイ、エーシンジェイワン。

推奨馬:2.ラフアウェイ、6.アドバンスウェイ、8.トシキャンディ、10.エーシンジェイワン

【石橋武のWIN5見解】
■今週の「単勝二頭流」レース
→小倉10R 西部スポニチ賞
 ジャイアントリープは小倉コース初出走となるが、内回りコースを中心につかわれて安定した戦績を残している。鋭く切れる脚こそないものの、厳しい流れになりやすい内回りで力を発揮するタイプはこのコースのイメージにぴったり。重賞でもキズナの3着があるように、昇級戦とは名ばかり。出遅れグセも徐々に解消しており、順当なら同馬で決まる。

 タガノエンブレムは、デビュー戦を今回と同じ小倉芝1800mで快勝。その後、内回り平坦コースの京都芝1400mで2勝目を挙げるも、全般的には厳しい競馬が続いていた。ところが前走でデビュー以来の小倉芝1800mを使われると再度パフォーマンスが上昇。小倉コース巧者になり得る片鱗を垣間みた。出遅れさえなければ平坦コースではいいレースができており、得意のコースで巻き返しが期待できる。

推奨馬:9.ジャイアントリープ(人気馬)、2.タガノエンブレム(穴馬)

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伊吹雅也

競馬評論家。JRAの公式ホームページ内「今週の注目レース」にて“データ分析”のコーナーを、TCK(東京シティ競馬)の公式ホームページ内「分析レポート」にて重賞競走のデータ分析を担当しているほか、グリーンチャンネル、JRAのレーシングプログラム、『週刊アサヒ芸能』、『競馬王』などさまざまなメディアを舞台に活動している。主な著作に『WIN5攻略全書 回収率150%超!“ミスターWIN5”のマインドセット』、『コース別 本当に儲かる騎手大全』シリーズ、『コース別 本当に儲かる血統大全』シリーズ、『ウルトラ回収率』シリーズ(いずれもガイドワークス)など。

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